
光を編む人 盲目の国学者・塙保己一(はなわほきいち)のアッパレ人生
(著) 戸山和子
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―盲目の国学者・塙保己一の軌跡―
江戸時代に活躍した盲目の国学者・塙保己一。点字も無い時代、彼は目が見えないというハンディキャップを背負いながらも、国学・国史を主とした日本最大の叢書『群書類従』を編纂するという偉業を成し遂げた。だがそこには、人知れぬ喜びと悲しみ、希望と絶望があったーー。
本書は、そんな塙保己一の生涯を幼少期から辿った歴史小説。目の見えない子どもは「あんま」や「はり」の修業をするのが一般的とされていた時代に、彼はいかにして江戸に出て学問を修めることになったのか。当時盲目の社会にあった階級の最高位である「検校」を得るために、彼が日々行っていたこととは。そして、後世の歴史学や国学、国文学などの学術的な研究に多大な貢献を果たすこととなる『群書類従』は、どのような経緯で、どのような困難を乗り越えて刊行されたのか……。
現在の埼玉県本庄市に「寅之助」として生を受けた彼が、江戸を代表する国学者・塙保己一になるまでの感動の物語。
[目次]
はじめに
一 元気に誕生した赤ちゃん
二 すくすく成長した寅之助だが、目の病気に
三 寅之助の目
四 盲目になった後に、辰之助と改名して
五 辰之助、寺子屋で学ぶ
六 辰之助の母親は病気がちになり、その後……
七 これからの歩みを考える辰之助
八 辰之助、江戸に行く
九 江戸で盲人一座の弟子になり、名前は千弥(せんや)となる
十 千弥の悩みと苦しみ
十一 師匠の、雨富検校の計らい
十二 本を読んでもらい、勉学に励む千弥
十三 仏教典『般若心経』(はんにゃしんぎょう)との出合い
十四 千弥は盲人社会で『衆分』の階級になり、 名前を保木野一(ほきのいち)とする
十五 保木野一(ほきのいち)旅に出て、その後の精進
十六、 『勾当』の階級になり、塙 保己一と改名する
十七 塙 保己一 『検校』の階級になり、 私生活も充実した中で 勉学に励む 『今物語』を刊行する
十八 師匠、雨富検校の死
十九 「和学講談所」を開設する
二十 『群書類従』(ぐんしょるいじゅう)の刊行始まる
二十一 父親の宇兵衛、亡くなる
二十二 塙 保己一の晩年
二十三 塙 保己一亡き後
二十四 アメリカでも知られていた塙保己一
参考資料
あとがき
[担当からのコメント]
スマートフォンのように便利な器機は無く、またバリアフリーも整備されていなかったに違いない江戸時代に、人一倍努力を重ね学問を修めた塙保己一の生涯を辿っていると、環境や境遇に振り回されていてはいけないと思い知らされます。彼の功績を知るとともに、「生きる」ことについても考えるきっかけを与えてくれる本作、ぜひじっくりとご堪能ください。
[著者プロフィール]
戸山 和子(とやま かずこ)
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