倭建命(ヤマトタケルノミコト)とは何者か――古事記から読み解く古代日本

(著) 畠山篤

Amazon

作品詳細

[商品について]
―あなたはまだ、本当のヤマトタケルノミコトを知らない―
女装した倭建の命(やまとたけるのみこと)が、九州南部の土豪・熊曽を征討したエピソードを綴った熊曽建征討譚。『古事記』に記されたこの話は、実は単なる英雄譚ではなく、倭建の命の成長や、天皇の出現・即位に関する重要な要素を含んでいるのだったーー。
熊曽建征討譚や出雲建征討譚など、各伝承を細かく検証することで徐々に明らかになる古代日本の政治的・宗教的背景。そして「ロイヤルヤクザ」とも言うべく、倭建の命の知られざる真の姿……。
神話・伝承の分析を通じて、日本国家形成の過程と倭建の命の本性に迫った、意欲的な日本神話論考集。

[目次]
一章 熊曽建征討譚考―神的皇子から倭建へ―
二章 出雲建征討譚考―出雲建の大刀の歌の生成―
三章 筑波問答歌考―東の国の平定と服属―
四章 月立ち贈答歌考―新春の服属儀礼と月の障り―
五章 一つ松の妻問い―独立歌謡としての原形と歌意―
六章 妻問いの追憶―一つ松と倭建の命の重層―
補論 景行天皇の隠び妻伝承考―神の島の歌語り―
テキスト・引用文献・参照文献
歌・歌謡索引
著者略歴

[担当からのコメント]
神や神話と聞くと、私たちの理解を超越した世界の話のように感じますが、本作を読むとヤマトタケルノミコトをもっと身近な存在に感じるはずです。古代文学や歴史に関心のある方、神話を専門的に学んでいる方にとっては興味の尽きない1冊となっていますので、ぜひご一読ください。

[著者略歴]
畠山 篤(はたけやま・あつし)

1946年、秋田県生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程満期修了。現在、弘前学院大学客員教授。博士(民俗学)(國學院大學)。
著書に、『沖縄の祭祀伝承の研究―儀礼・神歌・語り―』[2006・瑞木書房・日本学術振興会平成17年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費)交付]、『万葉の紫の発想』[2010・アーツアンドクラフツ]、『河内王朝の山海の政―枯野琴と国栖奏―』[2014・白地社]、『能舞〈鐘巻〉の復原』[2015・弘前学院出版会]、『岩木山の神と鬼』[2016・北方新社]、『万葉の紫と榛の発想―恋衣の系譜―』[2020・アーツアンドクラフツ]、『山人・海人伝承と河内王朝―枯野琴と国栖奏に見る祭祀・服属と記紀の論理―』[2021・22世紀アート]、『岩木山の神と鬼―津軽の民俗世界を探求する―』[2022・22世紀アート]、『権力と愛の歌物語―日の御子の誕生・新羅遠征・衣通姫―』[2023・22世紀アート]など。

新刊情報