
岡崎勝郎短編小説集:愉しみは隠者のごとく(22世紀アート)
(著) 岡崎勝郎
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―心の襞を言葉が通り抜ける―
白い漆喰の外壁と尖り屋根、パリ風の朱色のテントを張りだした瀟洒な喫茶店「カフェテラス・メデリン」で、今日も私はいつもの席に腰かけ、ひとりながい時間を過ごす。40半ばに過ぎたこの店のマダムと、少し年下の小柄で愛らしい声を持ったB女の二人の女性が放つ魅力に心をときめかせ、搖籠にゆられているそんな気分で、二人がする閑つぶしの話に耳を傾けながら――。日常の中から失われつつある美しさへの深い憧憬と心の機微を繊細な筆致で描いた「湘南の隠れ家」をはじめ、5編の作品を収めた短編集。
[目次]
湘南の隠れ家
部 屋
犬に噛まれた話
麻布曜春
ヴェルサイユだより
(一)
(二)
(三)
あとがき
[出版社からのコメント]
私たちの日常が、言葉だけでなく仕草や表情など形には残らない無数の文化の残滓が淀んだり交じり合ったりしながら流れている様なものだとすれば、文学作品とはそうした文化をそれぞれの方法で掬い取ろうとする試みなのかも知れません。本書の中に流れているものから何を感じるのか、ぜひ味わっていただければ嬉しく思います。
[著者プロフィール]
岡崎 勝郎(おかざき・かつろう)
昭和13年1月 宮城県石巻市生まれ
昭和38年3月 中央大学第二経済学部卒業
新刊情報
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