
夏は過ぎても:横須賀ほのぼの物語
(著) 猿島渡
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「あれから何度となく、私の周辺を夏が通り過ぎて行った、横須賀で過ごした子供の頃から数えると、五十年近い歳月が流れて行ってしまった。五十代の半ばになった今でも、時々懐かしくなって海を見に行くことがある。平成十六年の二月のある日、つい天気に誘われて、久しぶりに海を見に行くことになった。
八王子から国道十六号線で町田に出る。その後は道なりに横浜横須賀道路に乗れば、わけなく行くことができる。逗子の一つ先の横須賀インターで降りると、左方向へ進み、本町山中有料道路に入る。昔から考えると、ずいぶんと便利になったものだ。やがて穏やかな下り坂を走り下りて行くと、左手に軍港が見えてくる。何年経っても生まれたところというものはいいものだ。空気も違うし陽の光も妙にまぶしいような気がする。」(本文より)
【著者プロフィール】
猿島 渡(さるしま・わたる)
1949年 神奈川県横須賀市生まれ
東京都あきる野市在住
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