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明智光秀、煕子の高貴な生涯

(著) 杉晴夫

作品詳細

［商品について］
明智光秀の名前は、主君である織田信長を倒した「謀反人」として歴史に刻まれている。これまで、歴史は光秀が本能寺の変の原因に興味を注ぎ、戯曲によって歪められた光秀の人間性について、真実の光が当てられることはなかったが、近年の研究によってその人間像が見直され始めている。
本書は、妻煕子や家族、臣下と固い絆で結ばれていた明智光秀という武将の真の姿を、小説と言う形で現代に蘇らそうとする試みである。
為政者の歴史に一矢を報いる、歴史ファン必読の書。

「目次］
はしがき
第一章　流浪生活
一・一　一生を回顧する明智光秀
一・二　光秀の生い立ちと明智城落城
一・二　朝倉氏と一向一揆の抗争
一・三　朝倉家への仕官
一・四　真柄十郎左衛門との交情
一・五　織田信長に仕官
第二章　織田家での立身
二・一　姉川の戦い
二・二　真柄十郎左衛門の討死
二・三　坂本城主となる
二・四　朝倉、浅井氏の滅亡
二・五　一向一揆との戦い
二・六　光秀の任官と丹波の攻略
二・七　丹波における善政
第三章　天魔の正体を現す織田信長
三・一　荒木村重の謀反
三・二　本願寺との和睦と佐久間信盛らの追放
三・三　武田勝頼の滅亡
三・四　信長、天魔の本性を現す
第四章　本能寺襲撃
四・一　秀吉と官兵衛の陰謀
四・二　煕子の死と光秀の決意
四・三　好機到来
四・四　時は今
四・五　敵は本能寺にあり
四・六　「是非に及ばず」、信長の最後
第五章　天下分け目の戦い
五・一　征夷大将軍宣下
五・二　秀吉の中国大返し
五・三　山崎の戦いの前夜
五・四　光秀勢の掉尾の奮戦
第六章　明智一族の滅亡
六・一　光秀の最後
六・二　斉藤内蔵助の最後
六・三　明智一族の滅亡
第七章　光秀の残照、徳川家の天下統一
七・一　秀吉の織田家簒奪と忘恩行為
七・二　秀吉、関白となる
七・三　秀吉の束の間の天下平定
七・四　秀吉の孤独な死
七・五　徳川家の天下統一、光秀の残照、
あとがき
参考文献


［出版社からのコメント］
日本に限らず、歴史の多くは「勝ち残った者」によって作られます。一方で、歴史の研究は客観的な史料に基づくことが求められるため、そこからはどうしても「人の心」は抜け落ちていきます。その結果、私たちの学ぶ歴史は、勝者の視点からみた、人の心の抜け落ちた歴史とならざるを得ません。小説という形をとって、この抜け落ちた人の心を歴史に取り戻そうとする本書を通じて、400年の時をさかのぼり、明智光秀という人間の心を感じていただければ嬉しく思います。

［著者プロフィール］
杉晴夫（すぎ・はるお）
1933年東京生まれ。
東京大学医学部助手を経て、米国コロンビア大学、国立衛生研究所（NIH）に勤務ののち、帝京大学医学部教授、2004年より同名誉教授。
現在も筋収縮研究の現役研究者として活躍。
編著書に『人体機能生理学』『運動生理学』（以上、南江堂）、『筋肉はふしぎ』『生体電気信号とはなにか』『ストレスとはなんだろう』『現代医学に残された七つの謎』『栄養学を拓いた巨人たち』（以上、講談社ブルーバックス）、『天才たちの科学史』『人類はなぜ短期間で進化できたのか』（以上、平凡社新書）、『論文捏造はなぜ起きたのか？』（光文社新書）、Current　Methods　in　Muscle　Physiology（Oxford　University　Press）など多数。
日本動物学会賞、日本顕微鏡学会論文賞、日本比較生理生化学会賞などを受賞。
1994年より10年間、国際生理科学連合筋肉分科会委員長。