巨像――私を生きる螺旋の物語

(著) 佐野俊治

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作品詳細

[商品について]
―私とは、存在とは、そして物語とは何か―
アパートの自室で目を覚ましたとき、なぜか私は巨人となっていた。全身灰色の肌に、同じように灰色の短い毛が生え、額は迫り上がって眼孔は深く、高い鼻梁に唇は薄く広い、その姿はさながらイースター島のモアイ像のようであった。高校卒業後、上京して印刷会社に就職した私は、好きな物語を書くために会社を辞め、新聞配達の仕事をしながら、時間があれば物語を書いたり本を読んだりしていた。そして今、自分はこうして巨人となって逃げまわっている――。
異形となった私が迷い込んだ不可思議な世界と、記憶の中の現実が時空を超えて交錯する、前作『Tの字』に続く異色のファンタジー小説第2弾。

[出版社からのコメント]
私とは何ものなのか、この古くて新しい問いは哲学の中で、物語の中で繰り返し問われてきました。一番分かっていながら、一番分かっていないようでもある私という存在の不可思議さは、時として物語の中でこそ露になることがあります。本書の物語を楽しみながら、その不可思議さをじっくりと味わっていただければ嬉しく思います。
【著者略歴】
佐野 俊治(さの・としはる)
2021年

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