【電子書籍版】評伝 西脇順三郎

(著) 新倉俊一

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[商品について]
―詩の原野を独り歩き続けた言葉の旅人―
日本語に限らず、様々な言語を駆使して「新しいイメージの世界」の創造を追い求めた詩人・西脇順三郎。ノーベル文学賞の候補作に何度も挙がりながらも、モダニズムの地平を見続けた西脇の詩作は、日本の詩の系譜において、これまで語られることは決して多くなかった。
本書は、長年にわたり詩人・西脇順三郎を研究し対話してきた著者が、西脇の詩の世界に対する一般の評価を改め、その特異な存在の謎に迫るために、詩を通してその内面の肖像を語ろうと試みた「詩的自伝」である。
現実を失ったただの「昏倒した夢の世界」とは一線を画す、豊穣な西脇の詩の世界に足を踏み入れ探究するための一書として、示唆に富む内容となっている。

[目次]
まえがき
Ⅰ 信濃川、静かに流れよ
小千谷紀行
幼時の追憶
ナショナル・リーダーズ
曙町と藤島武二
父の死
Ⅱ それから三田へ来た
理財科予科
アーサー・シモンズと早稲田
ラテン語の卒業論文
ペイターと美の宗教
フローベールのスタイル
Ⅲ ディオニソスは夢みつつ航海する
北野丸船客
緑の夜明け──ロンドン
オックスフォード生活
マージョリとの結婚
英文詩集『スペクトラム』
旅人よ、帰れ──未刊のフランス語詩集
Ⅳ 馥郁タル火夫ヨ
浮き上がれ、ミューズよ
テンゲンジ物語──瀧口修造君へ
「純粋な鶯」──北園克衛への手紙
覆された宝石──『アムバルワリア』
トリトンの噴水学
Ⅴ 幻影の人の淋しき
萩原・春山論争
「ゴーガンの村」を求めて
「幻影の人」の成立
流謫──鎌倉から小千谷へ
土星の苦悩
Ⅵ なぜ深沢をさまよわねばならないのか
豊饒の女神
『第三の神話』前後
ノーベル賞候補
『失われた時』
イタリア紀行
詩画集──池田満寿夫たちと
Ⅶ 野原をさまよう神に
モントリオール世界詩人会議
イギリスの野原
撃壤歌または冗歌
はせをの芸術──加藤楸邨との対談
鹿門先生
自然に返る
Ⅷ また追放の人はかえるだろう
永劫の旅人
詩人・画家 西脇順三郎──生誕百年
燈台へ行く道
世田谷/奧の細道──没後二十年
北園・瀧口の帰還
主要参考文献
一 テクスト
二 対談集・回想録・画集・展覧会図録その他の資料
三 単行本評論
年譜──西脇順三郎
あとがき

[出版社からのコメント]
分かりやすく耳障りのよい詩や言葉が蔓延する現代にあって、言葉の奥にある世界に手を伸ばし足を踏み入れようとすることは、単なる詩学の領域を超えて、私たちの生きる世界の姿を捉える上でとても重要なことなのではないかと思います。萩原朔太郎の対極にあった詩人・西脇順三郎の世界は、その意味では現代においても時代の対極にあり続けていると言えるかも知れません。本書を通じて、稀有な詩人の世界を味わっていただければ嬉しく思います。

【著者プロフィール】
新倉 俊一(にいくら・としかず)
1930年生まれ。慶應義塾大学卒。フルブライト留学生としてミネソタ大学大学院に留学。明治学院大学名誉教授。西脇順三郎の全集や定本全詩集のテキストの校訂をはじめ、英詩集の翻訳に携わる。著訳書『西脇順三郎全詩引喩集成』(筑摩書房)、『西脇順三郎 変容の伝統』(東峰書房)、『エズラ・パウンド詩集』(角川書店)、『エズラ・パウンド詩集』(小沢書店)、『アメリカ詩の世界』(大修館書店)、『エミリー・ディキンソン不在の肖像』(大修館書店)、『詩人たちの世紀──西脇順三郎とエズラ・パウンド』(みすず書房、ロゲンドルフ賞)、『ピサ詩篇』(みすず書房)ほか。

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