こころの病 寄り添い方

(著) 中村多

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作品詳細

私たちが街を歩いているとき、車椅子に乗った人や、白い杖を持った人たちによく出会います。

 これらの人たちは、各々自分の体に障害というハンディをもちながら、懸命に生きているのです。

 そのほか、大きな手術を行い、不自由な体でありながら、それぞれのハンディを克服しながら生きている人たちのいることは、みなさまのよくご存知のことであります。

 そこで、次に「こころの病気」をもった人たちのことを考えていただきたいのです。これらの人たちは、通常は五体満足であって、一見して障害者と見分けがつかない人が多いのです。しかしこの「こころの病気」の人をよく注意して見ると、何かしら不自然なところがあるのに気づかれると思うのです。

 この人たちはかなり強い薬を常に服用していて、それで体調を整えているのです。治療に使っている薬といえば、毎日定められたとおりに飲まないと、直ちに体に変調を来たす場合が多いのであります。私は、こういう事情も踏まえながら、かねてから「こころの病気」の人たちが、いわれのない差別と偏見にさらされているのを見て、何とか世間のみなさまに、「こころの病気」にかかっても一生懸命に生きていく人たちの姿を、知っていただきたいと思ってまいりました。

 このたび、『ある施設長の日記より』を出版するにあたり、これを機会に皆様がご理解を深めていただけることを期待しております。

 医学用語としては、「うつ病」「統合失調症」「気分障害」などがありますが、このたびはそれらを一括して「こころの病」といたしました。よろしくご了承ください。

中村 多

著者略歴

中村 多(なかむら・まさる)

1925年 三重県伊賀市生まれ
NPO法人ふよう福祉会理事長
大阪工業技術専門学校卒
一級建築士
健康管理士一般指導員
(特定非営利活動法人日本成人病予防協会・財団法人生涯教育開発財団協同認定)

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