よくわかる哲学——古代から現代まで、哲学がわかれば人間がわかる

(著) 犬竹正幸

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作品詳細

[商品について]
――近代自然法思想における「自然法」とは、次のどれに対比した概念でしょうか。
1.神の法、2.実定法、3.社会規範
正解は本書第4章「一 近代自然法思想――ホッブズとロック」をご覧ください。

哲学には他の学問にはない固有の性格、すなわち反省的性格と批判的性格がある。この2点において哲学は他の学問の基礎たりうるし、また人間の自己理解を形成する――。本書は、長くカントの研究に精力を傾けてきた著者が、難しいと倦厭されがちな哲学に多くの方が興味を持ってもらえるように、古代ギリシャ哲学からカント、ハイデッガーまで、諸哲学の重要な思想を丁寧に辿って解説した作品である。——これから哲学を学び始めようとする方はもちろん、哲学の奥深い世界の分け入っていこうとされる方にとっても、示唆に富む内容となっている。

[目次]
まえがき
序 章 哲学と人間観
A 反省的性格
B 批判的性格
第一章 古代ギリシャ哲学における人間観
一 古代ギリシャの自然哲学
(一)イオニア自然哲学――神話的思考から合理的思考へ
(二)ピタゴラス――数学的原理の提唱
(三)パルメニデス――感覚とロゴス(理法)との峻別
(四)古代原子論――自然界の整合的説明の試み
二 ソクラテスの哲学――知恵の愛求
(一)ソフィスト
(二)知恵の愛求
(三)ソクラテスの死
三 プラトンの哲学
(一)哲人王の思想
(二)イデア論
第二章 近代自然科学の成立
一 アリストテレスの自然論
二 ガリレオの自然観
(一)ガリレオの自然研究の方法と自然観
(二)理想化された自然
第三章 デカルトの哲学――近代的理性の確立
一 デカルト哲学の課題と方法
(一)知恵の樹
(二)方法の問題
二 方法的(形而上学的)懐疑と「我思う、ゆえに我在り」
(一)方法的懐疑の一般的特徴
(二)方法的懐疑の進めかた
(三)「我思う、ゆえに我在り」の意義
三 精神と物質の二元論のもつ射程と問題
(一)デカルト二元論の射程
(二)心身問題
(三)残された問題
第四章 人間における自然と近代的社会観
一 近代自然法思想――ホッブズとロック
(一)近代自然法思想の大要
(二)ホッブズの思想
(三)ロックの思想
二 ヒュームにおける人間的自然
(一)道徳性と人間の自然本性
(二)社会の形成と正義の法の成立
三 ルソーの社会思想
(一)「自然に帰れ」
(二)ルソーの文明社会批判
(三)ルソーの社会契約論
第五章 人間理性の限界づけ――カントの哲学
一 人間は何を知りうるか
(一)人間理性のアンチノミー
(二)『純粋理性批判』という書物
(三)現象と物自体
二 人間は何をなすべきか
(一)意志の自由と道徳法則
(二)カント倫理学の問題点
第六章 現代の哲学における人間観
一 ハイデッガーの哲学
(一)ヨーロッパにおける二〇世紀初頭の知的・社会的状況
(二)『存在と時間』という書物
(三)近代技術文明批判
二 環境倫理学とは何か
あとがき
著者紹介

[出版社からのコメント]
哲学は何をするのか、他の学問とどう違うのか。哲学入門を謳う本は多くあれど、こういった問いに正面から向き合った本はあまりありません。まさにこの点において、本書は哲学の入門書として非常に優れています。この本を読み終わって、実際に哲学書に取りかかってもすぐに難しい言葉に翻弄されるでしょう。しかし、そんなときでも本書が必ず導きの糸となってくれるはずです。

[著者紹介]
犬竹 正幸(いぬたけ・まさゆき)

1952年生
京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学
2012年 京都大学博士(文学)
現  在 拓殖大学政経学部教授

主要業績
『現代カント研究4 自然哲学とその射程』(編著、晃洋書房、1993年)
『カント全集12 自然の形而上学』(訳書、岩波書店、2000年)
『カントの動力学的空間論』(日本哲学会編『哲学』第53号、法政大学出版局、2002年)
『カントの批判哲学と自然科学』(単著、創文社、2011年)

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