アウシュヴィッツのコーヒー:コーヒーが映す総力戦の世界【電子書籍版】

(著) 臼井隆一郎

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作品詳細

[商品について]
―コーヒーに眠る、ドイツの知られざる歴史―
戦時において、国家の有する力をすべて戦争に動員することを意味する「総力戦」。まさにその総力戦を繰り広げていた第一次世界大戦中のドイツで、国民の戦意を保持するために必要とされていたのは、意外なことにコーヒーであった。ーーかつてアウシュヴィッツ収容所では、ガス室へ送り込まれる前、ユダヤ人の囚人たちは「シャワーのあとにはコーヒーを出す」と言われていたという。また、ドイツが潜水艦作戦の開始に踏み切ったのは、オランダに頼っていたコーヒーの輸入が途絶えたからだった・・・。ドイツの戦史をコーヒーと絡めて読み解くという新たな試みとともに、コーヒーの歴史をつぶさに辿った味わい深い一書。

[目次]
はじめに
第一章 アラベスクな風景
第二章 医学と音楽と文学の国
第三章 土地なき民
第四章 黒い原点
第五章 総力戦
第六章 二十世紀の三十年戦争
第七章 アウシュヴィッツのコーヒー
第八章 極東の総力戦と一杯のコーヒー
あとがき
文献リスト
著者略歴

[担当からのコメント]
同じ一つの戦争や国の歴史を学ぶにしても、そのテーマによってはこれまでとまったく違った発見や見方が見つかることもあります。本書は、ドイツの歴史とコーヒーという一見意外なテーマを絡めながら、かつてドイツがあの恐るべきアウシュヴィッツへと至った道に鋭く迫ります。ぜひ、ご一読ください。

[著者略歴]
臼井隆一郎(うすい りゅういちろう)
1946年福島県生まれ。東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。新潟大学教養部助教授を経て、東京大学大学院総合文化研究科教授。現在、東京大学名誉教授。専門は、文化学、ドイツ・ヨーロッパ文化論、言語情報文化論。
著書に『コーヒーが廻り 世界史が廻る――近代市民社会の黒い血液』(中公新書、1992)、『パンとワインを巡り神話が巡る――古代地中海文化の血と肉』(中公新書、1995)、『乾いた樹の言の葉――『シュレーバー回想録』の言語態』(鳥影社、1998)、『榎本武揚から世界史が見える』(PHP新書、2005)、『『苦海浄土』論』(藤原書店、2014)、編書に『バッハオーフェン論集成』(世界書院、1992)、翻訳にイバン・イリイチ著/デイヴィッド・ケイリー編『生きる希望――イバン・イリイチの遺言』(藤原書店、2006)等。他にバッハオーフェン及び母権論思想に関するドイツ語論文多数。

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