カタクリ その足もとの幸福:春の森で紅紫の妖精と出会う

(著) 太田威

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作品詳細

[商品について]
―可憐でやさしい「春の妖精」―
家の裏山で、自然豊かな里山で、行く先々で出会ってきたカタクリ。堅香子として古来より人々に愛されてきたこの花は、その可憐さとは裏腹に日本海の崖地から平地や山地の里山、ブナ原生林、そして環境の厳しい標高1500mくらいの亜高山帯下部にまで生育する生命力を持ち、早春に開花した後、初夏には地上から姿を消して土中に潜るという不思議な生き方をする植物として知られています。本書は、そのカタクリの花に魅せられ、他の草花にはない独特の雰囲気を愛してやまない著者が、その生態や動植物とのかかわり、神秘的なその魅力を美しい写真と共に紹介した作品です。春の喜びを感じる一書として、多くの方にお楽しみいただける内容となっています。

[目次]
カタクリが咲く2つの里山
平地に近い里山――高館山と八森山
山地に近い里山――朝日村
カタクリの戸籍
雪からの芽生え
雪どけに目覚める
雪の多い年でも変わりなく
カタクリの開花
三寒四温のなかで
ドラマチックな1日
春を彩る花々
春植物あれこれ
山菜の楽しみ
春の花あれこれ
カタクリと動物
虫たちの訪問
スプリング・エフェメラル
花のなかのカモシカ
カタクリの美しさ
蜜標
さまざまな蜜標
親子のカタクリと実生
緑色のカタクリ
土に還る
アリとカタクリ
アリ散布される種子
地下の生活
カタクリと人間
人間を慰める花
あとがき
著者略歴

[出版社からのコメント]
まだ肌寒い春の野山でカタクリの花と出会い、目を奪われた方も多いのではないかと思いますが、残念なことにカタクリの自生地は年々減少傾向にあります。本書に収められた美しい写真を楽しみながらも、私たちが今何を失いつつあるのかについて多くの方に考えるきっかけを持っていただければ嬉しく思います。

【著者略歴】
太田威(おおた・たけし)

1943年、中国東北部(旧満州)に生まれる。幼いころから、海や山、川を駆けめぐり、自然に親しむ。山形県立鶴岡工業高校卒業後、会社勤めをしながら東北のブナ林を中心に自然・動植物の撮影と調査を続け、1974年、写真家として独立。最近は樹木、雪と氷、民俗行事を撮り始め、また温暖化による東北地方の動植物相の劇的な変化に興味をもち、観察を続けている。
出羽三山の自然を守る会常任理事、日本自然科学写真協会、日本自然保護協会、日本野鳥の会に所属。

おもな著書に、『ブナの森は緑のダム』(あかね書房、日本科学読物賞受賞)、『ブナ原生林』(時事通信社)、『ブナの森』『ブナ林に生きる――山人の四季』(ともに平凡社)など。

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