ザ・カミシバイ:プロ街頭紙芝居師に学ぶ紙芝居の全て

(著) 杉浦貞

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作品詳細

杉浦貞さんが教育のことを語り始めると、たちまちにして目には真剣さが宿り、鬼神も恐れるが如き迫力が全身からほとばしります。どれだけ杉浦さんが子供達のことを思い、子供達の幸せを願って紙芝居という仕事をしておられるかが一瞬にして感じ取れます。私が杉浦さんのような稀に見る大人物の、しかも歴史的な価値を持つ名著に言葉を添えさせて頂くのは、大役過ぎると思うのですが、この天与のご縁に感謝したいと思います。
 杉浦さんに私が初めてお会いしたのは、宝石の仕事をしておられる株式会社丸善の井本勝夫社長様の会社の会議室で、私が思風塾という勉強会をさせて頂いている会場でした。今から四年前のことです。その時すでに杉浦さんは、昭和最後の唯一人のプロの街頭紙芝居師として新聞やテレビでも紹介され全国的に名が知られる活躍をされていました。しかしお会いしてお話をしていると、大変に気さくで、気どらず謙虚で、明るくほがらかな普通のおじさんでした。ところが話の内容はというと実践に裏打ちされた確信と自信に満ちあふれ、強い使命感に燃えておられました。とても七十歳を過ぎた方とは思えない情熱と心意気に強く感動しました。私も小学生の頃、紙芝居のおじさんの後を追いかけて、棒にからめた芸術的な鳥の形をした水飴を作って頂いて、それをしゃぶりながら、紙芝居に見入ったことを覚えています。でも紙芝居の独特の画法や話し方や演じる型など、この世界の深みと歴史的文化的意味、教育的価値の素晴らしさに気付かされたのは、杉浦さんに出会って初めてでした。
 私は人間が血の通った人間らしい温かな心を持って、命を燃やして人生を生きて行くには、理性よりも感性が先ずは大切であるという人間観を持つ感性論哲学を説き続けているのですが、杉浦さんも、子供達との交流を通して同じようなことを感じておられたとのことで、二人はたちまち意気投合しました。(本文より)

【著者プロフィール】
杉浦 貞(すぎうら・ただし)
昭和6年 石川県羽咋(はくい)市に生まれる。
昭和27年 大阪の綿布染色業界に身を置き、染色技師となる。
昭和55年 プロ街頭紙芝居師に転身。
 以後、毎日2、3ヵ所の街頭広場で27年間実演を続けている。
 土、日、祝には全国各地の学校、子ども会、老人会、ロータリークラブ、ライオンズクラブ等のイベントや勉強会に出演している。また、昔の街頭紙芝居絵の収集、活用、保存に力を注ぎながら、街頭紙芝居絵の画法を研究し、多くの新作品を制作し、ライフワークとして世に発表し続けている。
平成16年 NPO法人紙芝居文化協会を設立。
     プロ街頭紙芝居師と紙芝居画家の養成に奮闘中。

本書を読んでプロ街頭紙芝居師になりたいと思われた方はご連絡下さい。
氏名、年齢、職業、住所、電話番号、FAX番号、応募理由、夢をお書きの上、封書またはFAXでお待ちしています。
 NPO法人紙芝居文化協会 (代表 杉浦 貞)
  〒531—0062 大阪市北区長柄中2—7—16
  TEL/FAX 06—6353—2957
  http://kamisibai.net

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