ジョン・ロックの経済思想: その思想像の統一的把握のために

(著) 生越利昭

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作品詳細

17世紀イギリスの哲学者であり、イギリス経験論の父と呼ばれているジョン・ロック(1632-1704)。彼の各分野(経済学・教育学など)における業績は、その思想の全体像の把握を非常に困難なものとしている。そのため本書では、ロック経済思想の基本的枠組みに範囲を限定しつつ、問題意識の上では包括的なロック思想研究の課題と方法を論究している。ロックがその実践的課題を果たす中で示した、思考過程とその結果として現れた歴史的役割を浮き彫りにした一冊。
【目次】
序章 ロック研究の動向と本書の問題意識
 第1節 ロック研究の課題
 第2節 伝統的ロック思想像
 第3節 新しいロック思想像の提示
 第4節 歴史的・内在的研究
 第5節 タリーのロック財産論研究
 第6節 ウッドの社会経済史的研究
 第7節 その後の研究
第1章 ロック思想の実践的性格
 第1節 ロックの生涯と著作
 第2節 イギリス重商主義の課題と特質
 第3節 ロック思想の課題
第2章 ロック経済思想の形成
 第1節 アシュリー卿の影響
 第2節 社会経済的背景
 第3節 第1次利子率論争とロック
 第4節 『利子論草稿』の分析
 第5節 交易植民委員会とロック「交易論ノート」
第3章 『政府二論』における経済思想
 第1節 『政府二論』執筆の背景とその実践的性格
 第2節 労働による所有理論の諸問題
 第3節 ロック国家論の二面的性格
 第4節 ロックの「労働価値論」とその思想的意味
第4章 2つの論争と利子・貨幣論
 第1節 第2次利子率論争とロック経済論の展開
 第2節 貨幣改鋳論争とロックの貨幣論
第5章 労働者雇用・育成論
 第1節 多人口論と勤勉な労働者
 第2節 実践的教育論の構造
 第3節 貧民教育および雇用論
第6章 植民思想
 第1節 1670年代の植民思想
 第2節 1690年代の植民思想 
補論 ロック貨幣論の学史的考察

【著者プロフィール】
生越利昭(おごせとしあき)
1946年 新潟県生まれ
1970年 静岡大学卒業
1975年 神戸商科大学大学院経済学研究科博士課程単位取得
1975年 神戸商科大学助手
  講師,助教授を経て,教授
2004年 神戸商科大学の統合により兵庫県立大学教授
2012年 兵庫県立大学定年退職(名誉教授)
訳書 リーヴ『所有論』(共訳)晃洋書房,1989年
ラフィル『アダム・スミスの道徳哲学』(共訳)昭和堂,2009年

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