デクのうた:森林と生きた35年間の日々

(著) 石下哲雄

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作品詳細

このたび石下哲雄君が三十数年間かかわってきた、山や木について出版することになった。誠にありがたいことである。
 彼は若い頃より林業に従事し、その実践、体験に基づいての執筆であるから、単なる理論書ではない。額に汗し、厳しい労働に打ち克って「山を愛し、木との語らい」のなかでの文章であるから、その味わいも尋常ではない。最後の一行まで木の役割、森林の大切さを訴えている。
 本書はまた単に山林の重要性を説くだけではなく、山村に住む人びと、彼と交流のあった人たち、そして家族とのかかわりにも触れており、自然や人、家族をこよなく愛している石下君の人間性をも汲みとっていただける。
 林家の親子関係にも、厳しいなかにもほほえましい光景で触れてあり、教育読本としても価値あるものであって、特に核家族化の進む現代社会に、一人でも多くの若人に一読をお勧めしたい。
 私と石下君とは、県知事就任以前からの知己である。それは、彼が林業研究グループの前身である青産研のリーダーとして「林業の隆盛こそ地球を守り救うのだ」と熱っぽく訴えていた頃からである。二十歳代の若さで今日を先取りしての活動ぶりを、私は大変頼もしく評価して協力を惜しまなかった。
 その彼も今は五十歳代半ば。自分の歩いて来た道を自信をもって綴り、後継者や読者に勇気を与え、奮起を促している本書は、誠に時宜を得ており、必ずや多くの共感をいただくものと確信している。
 今後も初志を貫徹すべく、更に精進を重ねていただき、林業の発展はもとより、人類共通の願いである地球環境の維持のために貢献願いたいものである。(序文より)

【著者プロフィール】
石下 哲雄(いしした・てつお)

1935年以来、輪島市内の山村に出生以来在住

1955年以来、家業の農林業に実務実践自営 
その間、農林大臣賞、林野庁長官賞、国土緑化推進委員会長賞はじめ、県森連会長賞、石川県知事賞、輪島市長賞など受賞

1980年「のとひば苗木」短期育苗生産方式(=空中とり木法)の発案と県木アテの「一世一代期柱��生産」方式の構築発表公開
同年、北国新聞社より毎週木曜日「アテの山から」を五ヵ月間連載

1985年 国際森林年記念論文に入選

「石川の林業」月報誌に「木の葉のささやき風の音」並びに「八十路のつぶやき」を「路傍の石」名で投稿数十面

2018年(平成三十年) 第十二回内閣総理府主催「みどりの式典」に受賞参列
天皇・皇后(当時)両陛下・衆議員議長及び参議員議長並びに最高裁判所長官臨席
席上、安倍内閣総理大臣より受賞者代表として受賞。

平成六年より平成三十年まで石川県健康の森総合交流センターにて奉職

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