トップリーダー・阿部千一の人生と美学
(著) 梅原愛雄
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二十世紀の終末、いわゆる一九九〇年代は、国内外を問わず、まさに激動に明け暮れた十年を送ろうとしている。これでは従来の世情の推移を見る一つのスパーンとして、単に数字上の都合がいいからといって百年単位に時代を区切るのが果たして適切かどうか疑問さえ抱きたくなる。
しかし、この十年をよくよく振り返ってみると、世の神々が、都合よく物忘れしがちな私たちに次なる時代への「百年の教訓」をしっかり頭にたたき込ませようとちょっぴりサジ加減しながら天の配剤をまき降らせてきたのではないか、と思えてくるのである。
例えば「災害」―。宇宙界での地球という一つの惑星の営みのなかでの自然現象によるもの、またそれと合わせて人為的原因による人間の社会生活を脅かす事例はまさに枚挙にいとまがない。が、それらを一つ一つを取り上げて見ると、前者のいわゆる天災といわれるものなのか。はたまた後者の人災であったのか。その結論は必ずしも明確にしえない例も少なくない。だが、少なくとも私たちあるいは父母、祖父母と一、二代とさかのぼってこの一世紀を生きた世代がどのように対処してきたのか検証してみることも必要だろう。
著者プロフィール
梅原 愛雄(うめはら・ちかお)
1939年 サハリン(旧樺太)生まれ。
岩手大学学芸学部卒。岩手日報社記者、編集委員を経て運動部長、校閲部長、編集委員室次長を務め、1995年8月フリージャーナリストとして独立。現在、パコス・ジャパン代表取締役。著書に『ドキュメント出かせぎ』『いぶにんぐ談話室』『真夏の伝言・戦後五十年』(岩手日報社刊)『アフリカ有情』(三修社刊)『ベンガルの風と人』(編著・岩手県青年海外協力隊を育てる会刊)『未知を拓いて みちのくの電信王・谷村貞治の生涯』(谷村貞治生誕百年記念事業実行委員会刊)などがある。
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