トマトの子守り歌【電子書籍版】
(著) 福谷則枝
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この小さな物語は、現実に私の周りに起こった出来事をヒントにして書き上げました。今だからこそ書ける若い頃の挫折、今書かなければ記憶の中から消えていってしまうような、たくさんの出会い。
振り返る事もなく過ぎ去ってしまった日々を小説にしてみようと考え、毎日コツコツと書き溜めたものが一冊の本になりました。
強烈な記憶となって残っている話もあれば、細かな記憶が曖昧な話もありました。過去を想い出す事は、自分自身の軌跡を辿る作業ともなり、現在の自分があるのは、逆境の中から逞しく育ってくれた里子達や障害者の方達の力があったからだと改めて感じました。
子供の虐待は年毎に増え、悲惨なニュースも目にします。私の預かった里子の中にも親から虐待され辛い目に合った子供がたくさんいます。こうした子供達に共通しているのは「野菜が嫌い」という事です。野菜が嫌いな子供は感情の起伏が激しく切れやすい傾向があります。私は子供を育てていく上で特に重要なのは食生活だと考えていますが、中でも大切な鍵となるのは野菜です。野菜に含まれるカルシウムやビタミンをたっぷり摂って、穏やかな心を持つようになってほしいと願って育てて来ました。
里親には子供達がきちんと巣立って行けるよう導く責任があります。
私の元から巣立って行った子供達は、大きな喜びや希望を与えてくれました。
現在5年目を迎えたトマトの会も、多くの方々の善意で青い実を付ける事が出来ました。この実が大きく熟すまで、私の小さな子守り歌は途切れる事なく流れ続ける事でしょう。
【著者プロフィール】
福谷 則枝(ふくたに・のりえ)
社会福祉法人トマトの会 理事長
昭和20年2月23日 鳥取県生まれ
平成元年4月 里親認可
平成6年11月 社会福祉法人設立
(障がい者就労センター)
平成13年 全国里親会会長 表彰
平成18年 社会貢献財団 表彰
平成19年 鳥取県知事 表彰
平成21年 厚生労働大臣
里親貢献への感謝状
平成25年4月 小規模住居型児童養育事業
(ファミリーホーム設立)
平成29年11月3日 文化勲章(旭日双光章)
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