ネモ船長と青ひげ: 童話、冒険小説、児童文学論

(著) 私市保彦

Amazon

作品詳細

ヴェルヌの『海底二万里』や『ロビンソン・クルーソー』、『星の王子さま』――フランスを中心に世界の童話や冒険小説、児童文学の傑作の数々をとりあげた本格的な作品論。
民話とリアリズム文学の過渡期に書かれた異色の童話・青ひげに、幻想小説や恐怖小説の萌芽を見る「恐怖小説としての青ひげ」。アンデルセンの『野の白鳥』と伝承的な民話を比較し、アンデルセンの童話と民話の深い関係を論じる「アンデルセン童話と民話」などの論考を収録。
未来のおとなとむかしの子ども、児童文学を愛するすべての人へ。

〈目次〉
模索の時代の児童文学


ペロー童話の深淵
 1.恐怖小説としての「青ひげ」
 2.ペロー童話の一モチーフ
カゾットの『悪魔の恋』と妖精物語との間
アンデルセン童話と民話
賢治童話の光と影

II
ジュール・ヴェルヌの世界
 1.夢想家ヴェルヌ
 2.ネモ船長の夢
 3.ホフマンとヴェルヌ
空想旅行文学
 1.若きロビンソン・クルーソー
 2.ヴェルヌと永劫の旅人たち
近代日本におけるロビンソン・クルーソー

III
フランスの児童文学
 1.妖精の伝統を追って
  ペロー オーノワ夫人 ボーモン夫人 ラ・フォルス嬢 ミュラ夫人
  ルソー ジャンリス夫人 サンド ノディエ デュマ ヴェルヌほか
 2.『星の王子さま』まで
  ドーデ マロー セギュール夫人 ルナール リヒタンヴェルジェ
  フルニエ ラ・フォンテーヌ エメ サン・テグジュペリほか

あとがき

【著者プロフィール】
私市保彦(きさいち やすひこ)
東京大学フランス文学科卒業(1956年)
同大学院比較文学科修士課程終了(1961年)
主な著書
『幻想物語の文法』(晶文社、ちくま学芸文庫)
『フランスの子どもの本』(白水社)
『名編集者エッツエルと巨匠たち』(新曜社)
『赤ずきんのフォークロア』(今井美恵子と共著、新曜社)
『琥珀の町 幻想小説集』(国書刊行会)
『白い繭 幻想小説集』(沖積舎)
『地底の冒険』(てらいんく)その他
主な訳書
ウイリアム・ベックフォード『ヴァテック』(国書刊行会)
バルザック「異国の女への手紙」(東京創元社『バルザック全集 第26巻』)、『絶対の探求』、『老嬢』、『ルイ・ランベール』、『呪われた子』ほか(水声社)
ジュール・ヴェルヌ『海底二万里』、『2年間の休暇』(岩波少年文庫)その他

新刊情報

22世紀アート
オフィシャルコーポレートサイト

百折不撓