メタボリズムの交通・都市論 : 人と車の共生をめざした街づくり【電子書籍版】
(著) 安藤郁夫
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[商品について]
本書は、1960年代から70年代にかけて交通行政に関わった著者が、将来的に持続可能な段階的整備計画(メタボリック・デベロップ・プランニング)の重要性を訴え、慢性化した都市交通問題の解決の糸口として試みた提言書である。
本書の提言から時間が経過した現在でも、交通事故や交通渋滞、排気ガス、騒音の問題など、都市交通に関して解決されていない問題は多い。複雑で多様化した現代社会の交通問題は、直接的な対処療法では足りず、本質的で現状に基づいた着実な対策が必要となっている点で、本書は多くの示唆を含んでいる。
都市の在り方だけでなく、私たちの生活空間について考える上でも格好の一書。
「目次]
発刊にあたって
はじめに
序論
プロローグ イギリスの印象
発想の転換の手掛かり
悪化しつつある交通事情とその主役
現在の交通対策とその期待される効果
果たして対策として成功するか
我が国の交通体系と自動車のシェア
交通安全を重視した将来の道路体系
道路の体系づけの提案
マイナスの置き換え
人と車の接点
交通体系の方向と車の変身
交通手段への思索
マスとパーソナルの結合
バス輸送の高度化
改革の兆しとそのアプローチ
都市構造からのアプローチ
交通の都市に与える影響
日常生活圏の拡散
ミクロポリスへの手掛かり
歩く意欲の湧く街並み(実践的手法)
歩行者空間演出の技法
名古屋広小路通りをモデルとしたシミュレーション
おわりに
著者略歴
[出版社からのコメント]
都市に限らず、利便性や効率性を重視する考え方が、必ずしも人間らしい暮らしを実現するわけではないということを、現代の私たちは感じ始めています。過密な都市交通は渋滞や排気ガスなどの問題を引き起こしますが、自動運転装置や電気自動車の普及によって、速度違反や危険運転の抑制につながる可能性もあります。
本書の時代状況は過去のものですが、状況に応じて視点を変え、柔軟で合理的な思考が必要となる現代でこそ有用な書物だと思います。本書が、交通という身近な問題について考える上での一助となれば嬉しく思います。
[著者プロフィール]
安藤 郁夫(あんどう・いくお)
1934年(昭和9)生まれ、北海道育ち。
道立函館西高校を経て、1957年(昭和32)室蘭工業大学土木工学科卒。
同年4月愛知県土木部に就職。
1966年(昭和41)から愛知県警交通部に2年、
続いて企画部交通(安全)対策室に11年、
延べ13年交通安全対策業務に従事。
その後土木部を中心に、名古屋高速道路公社等を経て、
1994年(平成6)退職。
現在は、㈱キクテック技術顧問、佐藤工業㈱(名古屋支店)顧問
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