ラッパ一丁吹きある記【電子書籍版】
(著) 松平晃
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―さて、出番だ。一丁やるか。―
奏でる者と聴く者を結ぶ音楽に必要な「空間」は、何もホールとは限らない。
「花の中三」でラッパを手にしてから早ラッパ歴34年、演奏を「食(職)」とせず「求められるならば、どこででも」、全天候型の楽器・ラッパを相棒に〝心意気〟も前向きに、どこでもなんでも演ってきた「労働者トランペッター」松平晃。NEC玉川事業場でマイクロ波管と向き合いつつ、コンサートからメーデーまで、数十人から数十万人まで、洋楽器、和楽器、合唱団とプロでは味わえない出会いを楽しみながら、路線図片手にリュックひとつでどこまでも行く日々。たかがラッパ、されどラッパ、さまざまな想いを音に乗せて、ときを告げるファンファーレが今日も響く――。
ラッパを愛し、平和を愛する著者が、これまで折に触れて発表してきた小文をもとに、音楽の中で感じてきたことや出会った人々、出来事をユーモアを込めて綴った、愛すべきラッパ吹きのモノローグ。
[目次]
序章に代えて
第1章 トランペッター 松平 晃
ある日、ある時、ある会話
第2章 お調子? のラッパ吹き
マッピラさんと出会い
三四年、ワタシャ今でもラッパ
〝まつだいらあきら〟は歌手、作曲家でもある?!
〝'87新星〟はいやなグループ?!
ラッパ吹いててよかったなぁと思うこと
ラッパは全天候型
〝まっぴら御免〟のセリフが決まるとき
ラッパの〝朝顔〟のように〝心意気〟も前向きに
燃えてるトコと醒めてるトコ
水まし江戸っ子???
一位コンロ、二位放火、三位にタバコ
コインロッカーとラッパケース
時刻表とスケジュール
リュックサックで命拾い
リュックの効用
第3章 ラッパ・喇叭・らっぱ
ラッパの種類
たかがラッパ、されどラッパ ラッパの音はかく創られる
かけもち演奏一日記
リサイタルあれ、これ
~第四回リサイタルから~
~ごあいさつ~
~父について~ 松平賢一(長男)当時一三歳
~松平晃リサイタルを終わって~ 一九八一年六月九日
~はるかに先輩にあたる松平さんに~ 津堅直弘
~ごあいさつ~
~お父さんへ~ 松平由美(長女)当時一三歳
~もう少しひかえめに……~ 松平香代(次女)当時一一歳
子どもを寝かさない〝子守唄〟?
心あたたまる「雪」のうた
梅にうぐいす、梅に鷽(うそ)
酒と本音とたてまえと
好きな曲、吹きたい曲、リクエストの曲
いつの日か「鳥のうた」を
第4章 ラッパに込めた想い
ラッパに託す平和への願い
三つ子の魂どこまでも
「十人十色」と「十人一色」
〝芸術の不思議な治癒(ちゆ)力〟
あと一日で…阪神大震災の被害者に
神戸の街の再生を願う
恐い夢にはサヨナラを
地震、雷、火事、おかみ
時ハ金ナリ?
金ハ天下ノマワリモノ??
住専から蘇った怒り
〝トキ〟を告げるラッパを吹きつづけたい ―闘う仲間とともに歩いた26年―
一六万人の気持ちが一つになる曲
トキを告げるラッパでありたい
ラッパのおしゃべり
第5章 労働者(アマチュア)トランペッターとして
働きながら生まれる音色
現在に生きる荒木栄を
嵐吹いた、あの炭鉱(やま)に荒木栄をしのぶ
海を越えたラッパ
ニューヨークの空に響きわたる 〝原爆を許すまじ〟
五〇〇人を超える暖かいカンパの力で…
めずらしい大道芸とまちがえられて……
国連本部の前で奏でた「原爆を許すまじ」
デモ行進のバンドに〝飛び入り〟参加
国境を超えて通じあえた心
核兵器廃絶の広範な世論形成へ
ラッパで呼応した抗議行動
『第九』と『春の海』
この日、この地で、この人々と
ハンガリーにて
江戸っ子のかるちゃーしょっく
定められたトキ・あれこれ
終 章
著者略歴
[出版社からのコメント]
クラシックやジャズなどの音楽演奏から軍隊まで、屋内外を問わず様々な場面で使用されるトランペット。その華やかな音色に惹かれる方も多いでしょう。本書は、そんなトランペットと共に敢えてアマチュアとして生きていくことを選んだ一人の音楽家の生き方が詰まった作品です。プロとは異なる視点からの音楽の魅力を、ぜひ味わっていただければ嬉しく思います。
【著者略歴】
松平 晃(まつだいら・あきら)
1942年東京・品川生まれ。
NEC・日本電気に働くかたわら、ラッパ片手に全国各地を吹き歩いている〝労働者トランペッター〟。
年間150回を超える〝人前演奏〟を繰り広げている。
トランペットリサイタル4回開催。1987年、川崎音楽賞コンクールに《トリオ '87新星》で出場。〝聴衆賞〟を受賞。ニューヨーク(1988年)、スイス、パリメーデー(1990年)、ハンガリー(1994年)、各地でも演奏。
川崎文化会議幹事。
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