レベラー運動とは何だったのか――ピューリタン革命期におけるイギリス大衆運動の実相と考察

(著) 友田卓爾

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――レベラーズの指導者として挙げられるのは、リルバーン、ウォルウィン、オーバートン、あと1人は次の誰でしょうか。


1.オサリバン、2.プリンス、3.コステロ


正解は、本書第9章「一 『人民協定』の権力規定」をご覧ください。

「成年男子普通選挙権を要求した急進的民主主義者」という伝統的なレベラーズ像を含め、これまでのレベラーズ研究では、運動に比べ思想の分析が先行してきた。しかし多様で妥協的な性格と、民衆的基盤ゆえの弱さと重要性をもったその実態を探り、この運動の革命における位置づけを問い直すことが研究の新たな主要課題になった。レベラーズ研究のこうした動向を受けて、本書では、革命議会成立から内戦勃発までのロンドンの街頭に現われた群衆デモに特徴的な願望と行動様式、内戦期にレベラーズが政治の舞台に登場したコンテクストを明らかにし、レベラーズの「大衆請願」運動を特徴づけた民主主義の理念と行動様式を、イデオロギー、組織、政治的な戦略戦術という三つの側面から分析し、レベラー運動の歴史的な意義と実像に迫っていく。

[目次]
序――問題の所在と本書の課題
第Ⅰ部 革命議会の成立とロンドン民衆
第一章 ロード=ストラフォード体制の崩壊とロンドン民衆
はじめに
一 群衆のデモンストレーションと『根と枝』請願
二 怒れる群衆とストラフォード伯の処刑
三 セクトの集会と討論
四 分離主義への恐怖
第二章 『大抗告』とロンドン民衆
はじめに
一 「軍隊陰謀」・「出来事(インシデント)」・アイルランド叛乱
二 『大抗告』の出版
三 国王反対派によるロンドン民衆の動員
四 「カトリック陰謀」への警鐘
第三章 内戦への序曲
はじめに
一 徒弟・「若者たち」の反主教デモと騒擾
二 「キャバリアー」対「ラウンドヘッド」
三 五議員逮捕未遂事件
四 経済不況と地方の決起
第Ⅱ部 ロンドン民衆および新型軍兵士の政治化とレベラーズ
第四章 「ロンドン大闘争」とレベラーズ
はじめに
一 ウェストミンスター宗教会議の動向とロンドン民衆
二 保守的市民の大衆請願
三 急進的市民の対抗大衆請願
四 「ロンドン大闘争」とレベラーズ
第五章 新型軍の政治化とレベラーズ
はじめに
一 「軍隊の危機」と『三月請願』
二 新型軍の政治化
三 政治化の推進者たち
四 オルガナイザーたち
第六章 新型軍の叛乱とレベラーズ
はじめに
一 『三月請願』を乗り越える地平
二 チレンデン中尉とアジテーター組織
三 兵士の叛乱
四 新型軍の政治化から急進化へ
第Ⅲ部 レベラーズの政治運動と革命思想
第七章 パトニー選挙権論争における自然権のレトリック
はじめに
一 People観
二 Representative観
三 Constitution観
四 「絶対的自然権」の意味
第八章 レベラーズの社会的抗議と自然権のレトリック
はじめに
一 反独占闘争の経済的・社会的背景
二 僧職者批判と「真の宗教」
三 法曹批判と「真の法」
四 領主・ジェントルマン批判
第九章 レベラー運動の組織化とアジテーション
はじめに
一 活字と民衆
二 政治綱領とプロパガンダ
三 自然・理性への訴え
四 プロパガンダから組織化へ
五 「大衆請願」による政治的結合――集会・署名・デモ
第十章 レベラー運動の戦略と戦術
はじめに
一 反国王闘争から反長老派闘争へ
二 『大請願』から第一『人民協定』へ――議会長老派との闘争
三 『一月請願』から最後の『人民協定』へ――軍隊独立派との闘争
四 シー・グリーン色の記章を付けた男性市民・女性・若者の「大衆請願」
五 「軍事専制」へのプロテスト
終章 レベラー民主主義のオリジナリティ
はじめに
一 『人民協定』の権力規定
二 権力の非中央集権化構想
三 自然権思想における権力観
四 世俗的基盤にたつ「大衆請願」
五 レベラー運動の意義
結び
あとがき
電子書籍版の刊行に際して
レベラーズ関連文献目録
レベラー運動関連年表
著者紹介

[出版社からのコメント]
情けは人の為ならずといいますが、この言葉の奥底にある考え方と民主主義の根幹に類似性を感じるのは不思議なことです。民衆運動に必要なのは高度な理論ではなく、人々の心の根っこにあるものにどれだけリンクできるかということなのかも知れません。本書の中のレベラーズの運動が自らの心にどうリンクするのか、ぜひご覧いただければ嬉しく思います。

【著者紹介】
友田 卓爾(ともだ・たくじ)

1943年 広島市生まれ

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