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乞食の歌 : 慈愛と行動の人・良寛

(著) 櫻井浩治

作品詳細

［商品について］
――貞心尼が良寛さんへの思いを込めて書き残した和歌集は次のうちどれでしょうか
１．蓮の露、２．もしほ草、３．貞心尼遺稿
正解は、本書「第三章　良寛さんの老いと死　貞心尼の良寛さんへの思い」をご覧ください。
漢詩や和歌などの素晴らしい作品を遺し、今なお多くの人に愛され敬われている禅僧・良寛。特定の寺を持たず、乞食を行とし、様々な逸話を残したその生き方は、それぞれの人にそれぞれの良寛像を生み出している。では実際の「良寛さん」の生き様はどの様なものだったのだろうか――本書は、医師として、或いは俳人としての視点から、良寛さんの心や病気、健康に対する考え方など日頃思い続けてきたことをまとめた、私的で詩的な良寛像。

［目次］
私の良寛さん ―精神科医から見た良寛さんの生き方―
はじめに
私と良寛さん
父と良寛さん
良寛さんの年表
いろいろな良寛像
第一章　何故　良寛さんは子供達と遊んだのか
水上　勉氏の疑問と批判
上州飯売下女の実態
木崎の宿
木崎音頭と色地蔵さま
信濃川洪水の記録
吉野秀雄氏の良寛さん
「月の兎」と良寛さんと信濃川
「月の兎」と飯売下女
良寛さんの自戒の文章
出雲崎と玉島
良寛さんの遊びが意味するもの
良寛さんと遊女
「愛語」について
良寛さんの悲しみ
第二章　良寛さんの健康法
良寛さんと椀の虫
良寛さんと茶席
奇話とは別の良寛さん
良寛さんの戒語
碗の虫の真相
茶席の真相
良寛さん伝説
良寛さんの実像
多病の良寛さん
良寛さんの手紙
良寛さんの健康についての基本的考え
年齢に合わせての養生
命つくるまでの用心
心身両面への気遣い
叔問(しゅくもん)への手紙
維馨尼(いきょうに)への手紙
良寛さんの健康への取り組み
良寛さんが試みた白隠の治療法
内観の法
軟酥(なんそ)の法
「歯を叩く」ということ
心身医学とは
ストレスと身体的病気
心身症と心療内科
ストレスを癒すには
自律訓練法とは
良寛さんとサポートシステム
サポートシステムの持つ二次的な価値
弟由之の存在
「甘える」ということ
良寛さんの甘え
「貰う」ことの意味
足ることを知る
兼好法師の良き友
積極的な良寛さん
甘えとお布施
甘えの人間関係
第三章　良寛さんの老いと死
喪失体験と老い
老い行く良寛さん
良寛さんの喪失体験
妹、むらの存在
島崎木村家への移住
貞心尼という人
美貌であった貞心尼
貞心尼の良寛さんへの思い
貞心尼が書き残した『はちすの露』
良寛さんと貞心尼の応答歌
良寛さんと貞心尼の出会い
良寛さんと貞心尼の交流
良寛さんの死と貞心尼
良寛さんの死の病
良寛さんの病状報告
症状を過不足無く伝える
死の自覚
良寛さんのターミナル期で思うこと
死の床で会いたい人
良寛さんと尊厳死
最終章　良寛さんの魅力
それぞれの良寛さん
毯つきの数と仏の道
良寛さんの原風景
死ぬ時節には死ぬがよく候
良寛さんの魅力
心豊かに生き抜くために ―良寛に学ぶ―
一、喪失体験とストレス
二、精神的ストレスと発病機制
三、健康であるための行動―マズローの見解
四、良寛の行動
心身医学からみた良寛
一、はじめに
二、良寛の生き方と死生観
三、病気がちであった良寛
四、良寛の病や健康への考え
五、良寛の病や健康への対応
六、良寛と自律訓練法
七、良寛とターミナル期
八、良寛の健康や病への姿勢
九、良寛と「愛語」
十、良寛のストレス緩和行動
十一、おわりに
良寛雑感
あとがき
引用・参考文献（順不同）
略歴

［担当からのコメント］
本書には、僧としての考え方や生き方、健康への取り組み、人間関係など、様々な視点から良寛という僧の姿が綴られています。あなたの中にある良寛さんとは別の姿や見知らぬ姿に出会うことができる作品として、良寛に興味のある方はもちろん、あまり知らないという方にもお楽しみいただける一書です。

【略歴】
櫻井 浩治（さくらい こうじ）

昭和11年１月、新潟県分水町（現　燕市）地蔵堂に生まれる。（旧姓　塚田）
新潟県立巻高等学校・新潟大学医学部を経て、慶応義塾大学医学部精神神経科学教室にて精神医学・心身医学を学び、新潟大学に勤務。同大学、保健管理センターに従事し、医療技術短期大学部部長、医学部保健学科長を勤め、定年後新潟医療福祉大学副学長・新潟医療福祉大学名誉教授・日本心身医学会名誉会員。
新潟大学名誉教授。医学博士。
一般向けの著書として、『精神科医が読んだ―源氏物語の心の世界』（近代文芸社刊）、俳句集『独楽』（自家出版）がある。