内視鏡のレンズの向こうに:正しく知れば食道静脈瘤は怖くない

(著) 高瀬靖広

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作品詳細

[商品について]
本書は、食道静脈瘤を専門とする医師が、一般にはなじみの薄い食道静脈瘤という病気について、その原因や治療方法を分かりやすく解説した書物である。
「このままでは血を吐いて死ぬのを待つだけだ」
当時、体力的に手術に耐えられない食道静脈瘤の患者は、吐血に耐えながら養生するしかなかった。それでも絞り出すような声で手術を望んだ患者との出会いは、若い医師を新しい治療法の開発に進ませる。
日本で初めて内視鏡治療に成功した患者と医師の共闘の足跡でもある本書は、食道静脈瘤という病気を実感をもって理解できる格好の一書となっている。

「目次]
はじめに
第一章 出会い
・私の進路を決めたKさん
・生い立ち
第二章 医療人になる
・世界の名著を読み漁る
・妻との馴れ初め
第三章 食道静脈瘤をターゲットに
・食道静脈瘤という病気
・食道静脈瘤の発生
第四章 Kさんとのタッグマッチ開始
・食道静脈瘤の治療にヒント
・一生の仕事として
第五章 新治療法開発のプロジェクト
・先行者がいた
・関門突破
・特注内視鏡の製作
・町田製作所
・予期せぬ問題がダブルパンチで発生
第六章 新治療法の前倒し
・Kさんの緊急入院
・一回目のトライ
・覚悟を決めた二回目以降の挑戦
第七章 夢の治療法一段落
・始めは栓塞(せんそく)療法と名づける
・振り返って
・今日の硬化療法を支えたファクター
第八章 此岸(しがん)と彼岸(ひがん)を考える
・解剖学で感じる厳粛な世界
・わけを知りたい奇妙な話
・人が小さく見えるのは死の予兆
第九章 食道静脈瘤治療後のアフターケア
・必要な予後のケア
・病気も生き物
・肝硬変との付き合い方
終章
・四十五年間は人との出会い
・今日の医療
あとがき
著者略歴

[出版社からのコメント]
医者と患者は一億に千万分の一の出会いであり、医者の基本は人を大切にすることである、という著者の言葉は、医療崩壊がさかんに議論される今、重みをもって私たちに響きます。医療技術が進歩しても、医療制度が改善しない限り、その狭間で医師たちは疲弊し、「人」として治療することが困難な状況が生み出されていくということを、私たちは十分に理解し考えていく必要があります。本書は、食道静脈瘤という病気に関する本ですが、幸いにも健康である方々が、医療制度について考えるきっかけにもして頂ければ嬉しく思います。

[著者プロフィール]
高瀬 靖広(たかせ・やすひろ)
1939年10月22日生まれ

1.学歴
昭和40年3月 千葉大学医学部卒、医学博士

2.職歴
昭和41年4月 東京女子医大消化器病センター外科医員
昭和49年9月 同 医局長
昭和51年10月 筑波大学講師(外科)
平成元年2月 同 助教授(手術部・外科)
平成5年7月 東京都公社 多摩南部地域病院外科部長
平成8年1月 (社団)つくば双愛病院院長
平成14年7月 同 名誉院長
老健「そよかぜ」施設長。筑波学園看護専門学校長(兼任)
平成21年9月 療養型老健「ひまわり」施設長、名誉院長(兼任)
(平成23年7月~平成24年8月の間 名誉院長のみ)
現在に至る

業績
資格
日本消化器内視鏡学会総会功労会員
日本消化器内視鏡学会関東地方会セナー会長(平成13年)
同名誉会員

日本外科学会 指導医
日本消化器外科学会 特別会員・指導医
日本臨床外科学会 特別会員
日本門脈圧亢進症学会 名誉会員
日本医師会認定産業医

著書
食道静脈瘤硬化療法(中外医学社)
図解 食道静脈瘤硬化療法(医学書院)
門脈血行アトラス(医学書院)
食道静脈瘤を征伐する(悠飛社)


昭和61年 第2回 内視鏡医学振興財団研究助成賞
昭和62年 第15回 三越厚生事業団 三越医学賞
平成19年 第1回 日本消化器内視鏡学会総会 崎田賞
平成29年 第3回 日本門脈圧亢進症学会 出月賞

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