北海道農業の始まり: ケプロンの教えと現術と生徒

(著) 富士田金輔

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作品詳細

最近は食の安全性が問題になり、有機栽培や産地直送などを通じて農業に関心を寄せる消費者も増えてきているが、それでもなお世の中の大勢は、農業には無関心という風潮に変わりはない。長く続いてきたそんな風潮のせいだろうか、歴史の分野でも農業の現場が見捨てられている場合が多い。これから本書で取り上げようとしている「農業現術生徒」の問題にしても、その全容は、いまだに解明されずに取り残されたままである。
北海道の開拓の現地に、リンゴやブドウ、西洋の農業技術を最初に持ち込んできたのは現術生徒であった。ビートやトゥモロコシ、キャベッや玉葱、ビールやヮイン、バターやハム。現在の私たちの食卓につながる多くのものが、その時彼らの手にかかり試験と選択をくり返して定着してきた。いわばその時の選択が、北海道の食の原点となって現在につながっているのである。

【著者プロフィール】
富士田 金輔(ふじた・きんすけ)

昭和七( 一九三二)年四月、徳島県阿波市に生まれる。
昭和二十六(一九五一)年三月、徳島県立阿波高校卒業。
昭和二十八(一九五三)年十月、北海道立農業技術講習所中退。
団体職員、会社員を経て平成四(一九九二)年四月定年を機に藍づくりの歴史に取り組む。
著作「北に渡った藍」として取りまとめ北海道みんぞく文化研究会『北海道を探る』
第二八号(平成七年)、同一二十号(平成八年)、同三一号(平成十年)に発表。

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