国際社会で日本のために―一外交官の回顧録

(著) 小宅庸夫

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作品詳細

[商品について]
――1960年のことを「〇〇の年」と呼ぶ言い方がありますが、〇〇に入るのは次のどれでしょうか。
1.アジア、2.アメリカ、3.アフリカ
その地域の多くの国が独立を達成し国連に加盟した年であることから、そう呼ばれるようです。正解は、本書第2章「三 国連経済外交の最前線で」をご覧ください。

昭和30年12月、外務省に入省して以来、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部在勤を皮切りに、国連や欧州共同体、アジアやアフリカなど外交の第一線を走り続けた40年の外交官人生。それは独立を回復したばかりの日本が世界に復帰し、国力を伸ばして国際的地位が頂点に達するまでの一つの時代の歴史でもある。フランス人の妻と二人三脚で世界を舞台に責務を全うした一人の外交官の人生の回顧録。

[目次]
はしがき
序章 両親の生い立ちと思い出
第一章 社会人となるまで
一 子供時代の記憶――大塚時代(昭和十一年―昭和十九年)
二 学生時代の思い出――阿佐ヶ谷での十年間(昭和十九年―二十九年)
集団疎開と終戦の思い出
豊多摩時代
阿佐ヶ谷の加賀山家
将来への夢
武蔵境の父宅
第二章 駆け出しの外交官
一 外務研修
外務省入省と研修所
在外研修でフランスへ
ノルマンディのカーン行き
アンヌマリーとの出会い
二 会議外交の末席で(ジュネーヴ勤務(昭和58年7月―60年1月))
国際連合との出会い
ニューヨークの国連
三 国連経済外交の最前線で――最初の本省勤務(昭和60年1月―64年11月)
国連経済社会理事会(ECOSOC)担当
南北問題の洗礼
アンヌマリーとの新婚生活
第三章 外交の第一線へ
一 東南アジアとの触れ合い(タイへの赴任)
家族連れでの最初の海外勤務
タイ向け円借款の開始
アジア開発銀行設立の思い出
二 ヨーロッパ共同体との付き合い
欧州経済統合の本拠へ(ブラッセル勤務)
対欧州共同体外交を主管(欧州統合の推移とEUの限界)
イタリア在勤(昭和50年4月―52年6月)
地方の魅力
急遽リビアへ出張
産油国との対話
第四章 次席の務め
一 南西アジアの大国へ(インド在勤(昭和52年6月―55年6月))
インドをめぐる国際情勢
日印関係
遺骨収集の旅
インドの多様性
二 南北問題の収拾(本省での事務統括)
南北問題
外務省の機構改革
国連での政治問題
第五章 大使としてアフリカの大地へ(ザイール大使時代)
新任大使の務め
マタディ橋の完成
ルワンダ、ブルンディ
コンゴ――ブラザヴィル
アフリカとの付き合い方
第六章 先進国クラブのOECD(経済協力開発機構)へ
一 OECDでの三年間
二 開発途上国とOECD
第七章 ODA(政府開発援助)実施機関へ(OECF(海外経済協力基金)での仕事)
天安門事件と対中円借款
南西アジアとの係わり
第八章 外交官人生の締めくくり
一 イラン大使としての二年間
テヘラン着任
イラン人への入国査証免除停止
イランとの経済協力
イランの核疑惑
大使の日常
イランとの付き合い
二 アルゼンチンへの転任
父、倒れる
アルゼンチン大統領の公式来日
アルゼンチンへの経済協力
アルゼンチンの国情と日系人の存在
大使の生活
あとがき(2020)  将来への展望

[出版社からのコメント]
いつの時代もどの様な政治体制でも、外交は国の要であり国家の命運を左右するものであると言えると思います。本書では、その重い職責を背負い、日本の顔として外交の最前線に身をおいてきた一人の外交官が見聞した世界と、自らの人生の足跡が綴られています。ぜひ本書を通じて、外交の厳しさや醍醐味を感じていただければ嬉しく思います。

[著者プロフィール]
小宅 庸夫(おやけ つねお)

昭和7(1932)年 東京に生まれる
昭和26(1956)年 東京都立豊多摩高校卒業
昭和30(1955)年 東京大学教養学部教養学科卒業、外交官領事官採用試験合格、外務省入省
昭和46(1971)年 経済局経済統合課長
昭和48(1973)年 経済局国際経済第一課長
昭和50(1975)年 在イタリア大使館参事官
昭和52(1977)年 在インド大使館公使
昭和55(1980)年 国際連合局参事官(のち審議官)
昭和58(1983)年 特命全権大使(駐ザイール、現コンゴ民主共和国、ルワンダ、ブルンディ、コンゴ兼轄)
昭和61(1983)年 経済協力開発機構(OECD)派遣、特別顧問
平成元(1989)年 海外経済協力基金出向 理事
平成3(1991)年 特命全権大使(駐イラン)
平成5(1993)年 特命全権大使(駐アルゼンチン)
平成8(1996)年 退官

退官後(株)中部電力 顧問、(株)熊谷組 顧問など歴任
日本倶楽部、国際文化会館、東京キワニスクラブ等の会員

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