大人になる日:武州高麗郡百姓騒動の記

(著) 粟田良助

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作品詳細

[商品について]
―行動と体験の中で人は大人になっていく―
例年にない不作の中で行われた役人の検見によって出されたのは、年貢増の沙汰だった。名主、村役による減免の嘆願にも一向に耳を貸さない役人に対して、飯能近在の村々は遂に実力行使に出ることを考える。それは、役人たちが検見を終えて高麗宿へ向かう川越しの時に、役人たちの駕籠を押さえて免租を要求し、聞き入れられない場合には、役人たちの乗った駕籠を近くの天神淵に投げ込んでしまおうというものだった。直助は、自分の住む横手村でも出された、他村と同様の厳しい沙汰に驚きながらも、百姓たちが起こす大きな騒動の渦に巻き込まれていく予感を覚えながら、集結の地である「かつらく山」へと向かうのだった――。天明3年に一橋家領地で実際に起きた百姓による2日間におよぶ強訴事件の顛末を、一人の青年が大人としての見識を深める姿を通して描いた歴史物語。

[目次]
一、叔父の話
二、百姓たちの決起
三、かつらく山での気勢
四、横手村での検見
五、村内への知らせ
六、再びかつらく山へ
七、お駕籠の道へ
八、お駕籠を威圧
九、高麗川河原にて
十、高麗宿にて
ことばの手引き
日高市イラストマップ

[出版社からのコメント]
人生で起こる様々な出来事は、ときに人の思いがけない一面を垣間見させることがあります。慣れ親しんだ日常の殻から抜け出して、人々の考えや社会の様相を見聞する体験を積み重ねることによって、人はいつしか大人になるのかも知れません。本書の物語の中で青年が見て感じたものを、ぜひ楽しみながら味わっていただければ嬉しく思います。

【著者プロフィール】
粟田 良助(あわた・りょうすけ)

短編小説集「大晦日の夜」(日本図書刊行会)出版
長編小説「悪惣」(近代文芸社)出版、
同作品は1995年度「埼玉文芸賞」受賞
長編小説「小江戸に咲きまくつむじ風」(東京図書出版会)出版、
同作品は第14回(2011年)日本自費出版文化賞入選

文芸同人誌「高麗峠」同人
埼玉文芸家集団会員

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