天空の蝶

(著) 佐田亮一

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―死への懼れ、不安を通り抜けた先に、生の意義が姿を現す―
妻が癌の宣告を受け突如として「死の可能性」に直面したとき、医学にすがり、神仏に祈り、そして混乱の中でもがき苦しんだ果てに「生きるとは何か、死とは何か」という問いに行き着いた。こうして著者の、妻を救い自分自身の生きる意味を見いだすための「こたえを見つける旅」が始まったーーエリザベス・キューブラー・ロスの「死の臨床」から古代エジプトやチベットの文献、そしてヘレン・ケラーまで、太古から宗教や哲学、文学、伝説、科学、心理学、そして医学の中で人が「こたえ」を求め続けた問いの痕跡を辿りながら、「生きる意味」「死の意味」を考える。

[目次]
まえがき

第一章 蝶のように自由に 医学の分野から
Ⅰ エリザベス・キューブラー・ロス 『死ぬ瞬間』の研究
1 「死の臨床」
2 臨死体験
3 ダギーへの手紙 蝶のように自由に
Ⅱ レイモンド・A・ムーディ・Jr. 『死後の世界』の研究
1 死とは
2 ネアンデルタール人の墓
3 死後の世界の体験事例の分類
4 ギャラップの世論調査
5 類例
Ⅲ メルヴィン・モース 「子供の臨死体験」の研究
1 「境界線があったようだった」
2 守護天使
3 明るさ以上のもの
4 水面下の関心
Ⅳ 文芸春秋とNHKの特集
1 文芸春秋の特集
① 〝お迎え現象〟調査報告
② 「今日で逝きます」
2 NHKの特集
① 〝お迎え〟~穏やかな看取りとは~
② 「死ぬときは母のように亡くなりたい」
Ⅴ エベン・アレグザンダーの体験
   脳神経外科医・臨死体験者として
1 『プルーフ・オブ・ヘヴン』
2 異端扱いを受ける覚悟で

第二章 身近に起こった話 民話、身近に起こった話
Ⅰ 民話
1 『遠野物語』
① 寺参りする魂(遠野町)
② 生き返った松之丞
③ 大津波
2 『現代民話考5』
① 「おっかあがみえるんかい」
② 息子が迎えに来たのかなあ
③ 「お父さんがもう来ていいって言ったよ」
④ 二人仲よく待ち合わせて逝った
⑤ あの世で楽しく暮らしている
(ア) おばあちゃんごめんね
(イ) お父さんと白い花
(ウ) ママをもう一度笑わせて
(ヱ) ずっと一緒だからね
Ⅱ 身近に起こった話
1 最近、身近に起こった話
① 天井の隅を指さしながら
② とても逢いたい人に逢えた
③ 物凄い力で握り返してきた
④ 「お前は、まだこっちへ来るな」
2 著名人の話
① 淀川長治(映画評論家・雑誌編集者)
② 小森和子(映画評論家)
③ 湯原昌幸(歌手)夫妻
④ 鈴木秀子(聖心女子大学教授・日本近代文学研究者・評論家)
⑤ 鳥濱トメ(知覧町、食堂経営者)
⑥ 米沢富美子(物理学者)
⑦ 遠藤周作(作家)

第三章 古代から伝えられたこと 生と死の〝関連〟
Ⅰ 古代エジプトとチベットの文献
1 『エジプトの死者の書』
2 『チベットの死者の書』バルド・ソドル
Ⅱ 古代ギリシャの教え「哲学」
1 ソクラテス 死を恐れなかった哲学者
① アポロンの神託
② 不思議な徴(しるし)
③ 魂について
④ 死について
⑤ 死後の世界
2 プラトン
「洞窟の比喩(ひゆ)」
Ⅲ 近世以降も教えられていた
1 中江藤樹
2 アイザック・ニュートン
3 西郷隆盛
4 ヨハネス・ブラームス
5 カール・グスタフ・ユング
6 シュリニヴァーサ・アイヤンガー・ラマヌジャン
7 ラインホルト・メスナー
Ⅳ 「宗教」の比較
1 主な宗教
2 一神教と多神教
① 宗教の起源
② 主な一神教と多神教
③ 「ユダヤ教」「キリスト教」「イスラーム」、三つの宗教の関係
3 「民俗宗教」と「世界宗教」
① 「民俗宗教」
② 「世界宗教」
4 「死後の世界」の考え方
① 「最後の審判」(天国と地獄)
② 「転生輪廻」

第四章 ベールの彼方の世界
Ⅰ エマニュエル・スウェデンボルグ
1 スウェデンボルグ関連事項
2 スウェデンボルグの業績
① A・J・フォン・ヘンプケン伯
② ゼームス・スヒヤース
③ イマニュエル・カント
④ ヘレン・ケラー
3 スウェデンボルグの能力
4 スウェデンボルグの「世界」
① 霊界の世界(『スウェデンボルグの霊界からの手記』)
② 三種類の世界(『スウェデンボルグの霊界からの手記』)
③ 精霊界(『鈴木大拙全集第二十三巻』)
④ 希望して地獄界(『スウェデンボルグの霊界からの手記』)
⑤ 天国と地獄(『カントの形而上学講義』)
⑥ 〝相応〟(『巨人・スウェデンボルグ伝』)
⑦ 意志の力と行動(『スウェデンボルグの霊界からの手記』)
⑧ 再会(『巨人・スウェデンボルグ伝』)
⑨ 子供と天使(『巨人・スウェデンボルグ伝』)
⑩ 霊界での結婚(『スウェデンボルグの霊界からの手記』)
⑪ 善行と天国(『スウェデンボルグの霊界からの手記』)
Ⅱ 近代スピリチュアリズム
1 近代スピリチュアリズムの展開
① ハイズヴィル事件
② その後の展開
2 三大霊訓
① 『霊訓』(潮文社)
② 『ベールの彼方の生活』(潮文社)
③ 『シルバー・バーチの霊訓』(潮文社)

第五章 「生き方」
Ⅰ アルバート・アインシュタイン
Ⅱ 西田幾多郎
Ⅲ 二宮尊徳
Ⅳ 村上和雄
Ⅴ 松下幸之助
Ⅵ ヘレン・ケラー
Ⅶ 稲盛和夫

あとがき
著者略歴

[担当からのコメント]
不可避の運命として誰もが持ち続ける死の現実に対して、多くの人は日常の生活の中で目を逸らして生きていますが、「生きる」ことについて考えるためには「死ぬこと」について考えなければならないという当たり前の問いを、本書は改めて突きつけます。災害や疫病によって死の現実に直面するいま、本書と共にこの問いについて考える時間を持っていただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
佐田 亮一

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