失われた英雄:新・阿久留王伝説

(著) 露崎清美

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作品詳細

[商品について]
―身は滅びようとも、阿久留王の戦いは終わらない―
「ヤマトタケル」東征伝説から浮かび上がったエミシの英雄が房総半島にいた。「阿久留王」である。民族の誇りと愛する者を守るため「タケル」と戦い敗れ、長い間「鬼・蛇・賊」と忌み嫌われた男である。東北の英雄「アテルイ」より数百年前であった。
小さな小競り合いから始まった弥生人との対立が拡大する中で連合体の首長となった阿久留王、西日本制圧の功をなし王権内でもひときわ大きな存在感を放つようになった偉丈夫・ヤマトタケル、日本という国がこれから形をなそうとしていた時代に、立場も思想も異なる二人の英雄が、いま歴史の中で激しくぶつかり合おうとしていた。時代の流れに翻弄されながらも、強力なヤマトタケルの東征軍に対して、蝦夷の人々の独立と人間の尊厳を命がけで守ろうと戦った阿久留王の伝説と悲劇の物語。

[目次]

蝦夷の人々
阿久留の憂うつ
弥生人とクナの国
彼のものたちの嘆き
阿久留、王となる
三輪王朝の都
武内宿祢
巡察隊現れる
阿久留王起つ
東北攻略の絵図
若獅子征く
クナ国王降る
皇子着任の反応
阿久留の驚き
皇子の要求
阿久留王攻める
阿久留王にまつわるいくつかの話
ヤマトタケルの誕生
天皇の号令
ヤマト朝廷の力
タケルの恋
タケル軍の出陣
倭姫の激励
宮簀姫との契り
焼津の戦い
阿久留王軍集結
タケルの苛立ち
ヒメの愛
上陸後のタケル
太田山の宣言
御狩り伝説
出城落つ
阿久留の述懐
王、初戦に勝つ
タケルの作戦
阿久留王の一念
決戦
白鹿と白鳥
「阿久留王」と「インディアン」

[出版社からのコメント]
考古学の研究の進展によって、縄文時代の人々の暮らしは、私たちが考える以上に豊かで文化的な生活であったらしいことが分かってきました。本書の物語は、自然と調和しその恵みを受けながら生きようとする考え方と、富と権力の集中によって繁栄を極めて生きようとするとする考え方のぶつかり合いということができますが、この戦いは現代においても続いているだけでなく、地球環境の激変の中でより激しさを増していくであろう戦いでもあります。阿久留王の生きざまを通じて、私たちが生きるこの世界について考える機会を持っていただければ嬉しく思います。

[著者プロフィール]
露崎 清美(つゆざき・きよみ)
昭和21年 千葉県生まれ。
会社経営のかたわら、古代史を研究。
特に、地元に眠る伝説を発掘、研究。
ヤマトタケル伝説を全国規模で収集し、ヤマトタケル東征研究会を主宰。

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