幕臣サブロスキー―江戸と長崎で終焉を見た男・大井三郎助の生涯 増補改訂版

(著) 大井昇

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作品詳細

[商品について]
――幕府が開国に向けて動くきっかけとなったオランダ特使来航時の軍艦の名前は、次のどれでしょうか。
1.ポチョムキン、2.パレムバン、3.アムステルダム
正解は、本書第3章「開国への胎動の時期と重なった出仕」をご覧ください。

嘉永六年(一八五三)七月にロシアのプチャーチン提督が長崎に軍艦四艘を引きつれ国交交渉に来たとき、ロシア人から「サブロスキー」とよばれていた大井三郎助は、阿部正弘が老中首座に就任し開国の胎動がはじまった弘化二年に幕府に出仕し、長崎ではアメリカペリー総督の来日に繋がるローレンス号やラゴタ号事件、ロシア使節プチャーチン提督と関わり、幕府崩壊による長崎奉行所の終焉を見届け、最後は徳川慶喜が水戸で謹慎するのに同行するなど、幕末の歴史の数々の主要なイベントに立ち会った興味深い人物である。本書は、その大井三郎助を曾祖父に持つ著者が、様々な史料を渉猟しながら大井三郎助という一人の武士の足跡を綴った記録である。

[目次]
発刊によせて
はじめに
第一部 開国の胎動期に御徒として抱え入れ
第一章  「大井譜」
第二章「武鑑」などで確認した三郎助
第三章  大井三郎助の出仕
第二部 長崎奉行所への往復
第四章 第一回目の長崎への赴任
第五章  第二回目の長崎への赴任
第六章  第三回目の長崎への赴任
第三部 ロシア使節対応でハイライトをむかえる
第七章  第四回目の長崎への赴任
第八章  第五回目の長崎への赴任
第四部 江戸政変の渦中で
第九章  江戸での御用
第五部 長崎と江戸で終焉を見る
第十一章  最後の長崎への赴任
第十二章  長崎奉行所の終焉と横浜への帰着
第十三章   最後のご奉公
第十四章  隠居
終わりに
大井三郎助関連の年表
史料および参考文献
未公刊史料(年代順)
刊行された史料・辞典類(史料名などの五十音順)
参考文献(著者五十音順)
著者略歴

[出版社からのコメント]
歴史は、その中で大きな役割を果たす人たちだけでなく、その周辺にいた人々に目を向けるのも、また別の楽しみがあって面白いものであると思います。歴史の転換点に居合わせた一人の武士の足跡から、そうした楽しみを味わっていただければ嬉しく思います。

【著者略歴】
大井 昇(おおい・のぼる) Noboru Oi

一九三五年(昭和十年)鎌倉生まれ。九州工業大学工学部卒。九州大学・理学博士(一九六五)。東芝で原子力・核燃料技術者として三十五年勤務。この間カリフォルニア大学ローレンス放射線研究所(一九六二年から一年間)留学、カナダの原子力公社ホワイトシェル研究所外来研究員(一九六七年から二年間)。一九九一年よりウイーンの国際原子力機関(IAEA)の職員として八年勤務。その後日本原子力産業会議参与。東京工業大学、武蔵工大(現在東京都市大学)の非常勤講師などを勤めた。
東京都世田谷区在住。(e-mail:oinoboru@c01.itscom.net)

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