戦争と挫折の運命・それでも生きる母と子、生死を乗り越えて・ある家族の昭和史

(著) 小谷正

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作品詳細

[商品について]
―母と子、夫と妻、運命の中でその想いは受け継がれていく―
頼みの夫も消息不明となり、敗戦の混乱の中で不安に押しつぶされそうになりながらも、幼子二人を抱えて懸命に生きた母・富子。最後の役目と母に勧められた見合いで出会って夫婦となり、子宝にも恵まれた穏やかな日々を過ごす中で突如として難病に見舞われた妻・文子。過酷な人生を息子の成長を楽しみに生きた母と、厳しい闘病生活の中で息子の成長を見守りながら今を生きる妻、息子として夫として共に歩んできた二人の女性の人生を、感謝と祈りを込めて綴った或る家族の半生記。

[目次]
1 如何なる運命の子
2 アメリカ軍機の機銃掃射
3 舟艇特攻震洋隊へ転任
4 故郷和歌山への帰路
5 自殺を止めた娘の思い
6 村役場への就職
7 離 婚
8 女占い師
9 おとなしい子に不安
10 父帰る
11 戦争孤児だった青年の死
12 天邪鬼
13 ショック療法
14 扶養義務確認訴訟
15 色覚異常者大学入学制限
16 夢叶う
17 明治一〇〇年記念弁論大会
18 最後の役目
19 大凶のみくじと酒井大阿闍梨
20 富子の死
21 病室での金婚式 難病の妻と歩む
あとがき
著者プロフィール

[担当からのコメント]
命がこの世に生まれることが奇跡の連続であるとするなら、与えられた命を生きていくということもまた奇跡の連続と言えるかも知れません。本書を読んでいると、脆くもあり強くもある「人間」を生かし支えるものは何だろうかという思いが頭をよぎります。今を懸命に生きる全ての方にお薦めしたい一書です。

[著者プロフィール]
小谷 正(こたに ただし)

和歌山県立海南高等学校卒業、名城大学卒業(中学・高校教員免許取得)、和歌山大学大学院修士課程修了(経済学修士)、和歌山大学大学院後期博士課程満期退学(システム工学)。
一九六八年四月、和歌山県庁就職。
主な職務歴:有田農林事務所・有田県事務所総務課(第1回消防操法大会企画実施)、衛生部医務課(第1回和歌山県日中友好青年の船派遣PJ・小野田少尉救出謝意ルバング島医療使節団派遣PJ、厚生省地域医療システム研究PJ座長渥美和彦東大教授)、知事公室行政管理課(コンピューター利用促進・システム導入企画)、知事公室広報広聴課主査、経済部労政課調査員(和歌山県勤労福祉協会出向参事:勤労福祉会館建設・初期運営)、企画部企画室総合計画班長(第4次長期総合計画策定)、商工労働部商工企画課助成班長、知事公室文化振興課ふるさと運動班長(ふるさと誕生日条例制定・ふるさと誕生日イベント企画実施)、和歌山県土地開発公社出向業務課副課長(関空土砂採取事業)、商工労働部労政課副課長(工業団地売却推進・県工業技術センター再編整備・リサーチラボ建設推進)、総務部総務学事課副課長(リゾート博わかやま館事務局長)、県工業技術センター次長(研究開発施設建設整備)、企画部情報システム課長(一人一台PCネットワーク推進)、県参事(和歌山県環境保全公社出向専務理事)、和歌山県立高等技術専門校校長、和歌山県立文書館館長。
二〇〇六年三月、和歌山県庁退職。
和歌山県看護協会事務局長、和歌山県行政書士会理事、国保野上厚生病院事務組合代表監査委員、海南海草老人福祉施設組合代表監査委員、海南市老人福祉施設監事、大揚興業株式会社顧問等を務める。

〈著書・研究〉
『一国として利す ―臨界社会への警鐘』文芸社、「徳川吉宗にまつわる風聞の考察」和歌山県立文書館研究紀要八、「和歌山県令達綴(明治十年頃)について(共研)」和歌山県立文書館研究紀要十、「紀州山本氏と近江源氏山本義経一族(共研)」和歌山県立文書館研究紀要十、「環境低負荷な地域社会形成:水素利用による有機廃棄物の地域資源化を通して」(大会報告論文)(共研)社会・経済システム学会誌二十五巻

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