教行信証に近づこう

(著) 徳岡秀雄

Amazon

作品詳細

[商品について]
―親鸞思想のキーワードでもある「悪人正機」は、もとは浄土宗の宗祖に端を発した。では、この浄土宗の宗祖は以下のうち誰か?
1.法然 2.空海 3.栄西
正解は、本書「第十章」をご覧ください。

浄土真宗の宗祖である親鸞聖人が著した、同宗の根本聖典である『教行信証』。親鸞の思想に近づくためには避けて通れない本ではあるが、「真宗の簡要を摭う」ための文献であるため、前提知識がないと初心者にはとっつきにくいのも事実。本書はそんな『教行信証』の理解を助けるべく、そこに書かれた内容の背景を描き出す。真宗信徒必携の『教行信証』副読本。

[目次]
第一章 世間と出世間
 史実・伝説・童話・神話 仏教・哲学・科学 水平軸と垂直軸
第二章 仏教経典とは
 誦出者・経典(作品)・主人公 浄土三部経
第三章 般若経典群と無量寿経
第四章 空と浄土は異次元の世界
 ワンサイド・ミラー 「よだかの星」 見えない光・聞こえない音
第五章 「空」と「浄土」の統合
 龍樹と空 世親と浄土 法蔵菩薩神話 浄土の菩薩 曇鸞による統合
 さらなる易行化と架け橋
第六章 言葉に成られた超越者
 言葉の諸レベル 詩人の言葉 言葉・振る舞い・心 三業一致
 超越者と言葉 真理と方便
 喚び声としての阿弥陀仏(教巻・行巻・第十七願)
第七章 『大経』こそが仏教的真実(教巻)
 宗教から仏教へ 釈尊と阿弥陀仏との逆転 回向の主体は阿弥陀仏
第八章 観想念仏から称名念仏へ
 五念門から五正業へ 称名正定業 勝易の称名
第九章 親鸞思想の特徴
 分析と円融 方便法身としての阿弥陀仏 本地垂迹
 問い続けないことでの安堵 俱会一処 成仏して還れる私 道と得道者
 現生正定聚——今・此処での安心 妙好人
第十章 法然教義の純化と展開
 二度目の出家 他力の徹底と悪人正機 出藍の誉れ
第十一章 易信難行道か難信易行道か
 宗教・仏道・浄土門 難信なのは? 信じるとは疑わないこと

[出版社からのコメント]
『教行信証』の理解を助けるべく書かれた本書は、前半では宗教(特に仏教)との向き合い方に通じる内容が書かれ、後半に行くにつれ親鸞の思想の真髄に肉薄していきます。いわば、抽象から具体への流れがあるため、親鸞にかかわらず仏教全般にぼんやりとした興味がある人にとっても、実戦的な入門書となっています。

【著者プロフィール】
徳岡 秀雄(とくおか・ひでお)

一九四一年、京都府生まれ。京都大学教育学部卒業。京都家庭裁判所調査官補を振り出しに、関西大学教授(社会学部)、京都大学教授(大学院教育学研究科)、放送大学客員教授、などを歴任。教育学博士(京都大学)。
社会学研究に従事する傍ら、一九九三年、中央仏教学院(浄土真宗本願寺派・通信教育課程)入学、一九九六年、同校卒業。一九九七年、得度習礼に続いて教師教修を修了。二〇〇一年、社会学研究者としての職を辞して布教使補に登録。二〇〇三年、布教使資格を取得。放送大学客員教授の任期終了(二〇〇六年)後は、布教活動に専念。

《主な著書》『社会病理の分析視角』(東京大学出版会、一九八七)、『少年司法政策の社会学』(東京大学出版会、一九九三)、『社会病理を考える』(世界思想社、一九九七)、『宗教教誨と浄土真宗』(本願寺出版社、二〇〇六)、『少年法の社会史』(福村出版、二〇〇九)、『仏法で観る現代社会』(平樂寺書店、二〇一三)、『縁起する親鸞思想』(平樂寺書店、二〇一四)、『悉皆成仏による「更生」を信じて』(福村出版、二〇一七)、『回向された『教行信証』』(22世紀アート、二〇一九) 『仏教の現世利益』(22世紀アート、二〇一九)、など。

新刊情報

       

22世紀アート
オフィシャルコーポレートサイト

百折不撓