文書から読み取る戦争の真実:日中戦争からアジア太平洋戦争へ / 陸軍参謀・遠藤三郎とアメリカ人ジャーナリスト、エドガー・スノウ、ニム・ウェールス夫妻がみた15年戦争

(著) 吉田曠二

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作品詳細

[商品について]
日中戦争はなぜ長期化し、太平洋戦争へと突入していったのか――。戦争という巨大な現象を明らかにすることは容易ではない。
本書は、戦後平和活動を精力的に行った元陸軍中将・遠藤三郎と、アメリカ人ジャーナリストのエドガー・スノウを中心に、残された史料から戦争の実態を明らかにしようとする試みである。
本書は学生向けではあるが、日本が歩んだ戦争の道を俯瞰できる恰好の一書として、一般の方にも読み応えのある作品となっている。


[目次]
この講義を聴講する皆さんへ
第九章 日中全面戦争の開幕
盧溝橋事件:ついに泥沼の全面戦争へ突入
(1)日本陸軍の反応:拡大派と不拡大派
(2)蒋介石:ついに戦争を決意
遠藤三郎の華北従軍日誌
(1)華北の戦場:遠藤の従軍体験
(2)日本軍のモラルの崩壊
第十章 日中全面戦争の展開
E.スノウの情報分析:「アジアの戦争」より
(1)周恩来夫人:日本軍の封鎖を突破
(2)八路軍:最初の戦果
(3)スノウの日中戦争論:「アジアの戦争」(1941年刊行)より
(4)1937年の中国の軍事力
蒋介石:その人と思想
(1)蒋介石:その人と思想
(2)蒋介石:武漢で徹底抗戦を語る
中国工業合作社運動の展開
(1)工業合作社のアイデア
(2)日本軍占領地域:壊滅した中国工業
(3)国際的に認知された合作社運動:生産拠点の大移動へ
(4)合作社:2000マイルのネットワーク
ノモンハン事変と遠藤三郎
(1)草原の日ソ戦争:ノモンハン事変の発生
(2)遠藤三郎の主張:“ソ連と戦うな”
スノウ:延安で毛沢東と再会
(1)毛沢東:世界情勢を語る
(2)毛沢東:魯迅の「阿Q正伝」とヒトラーを語る
重慶爆撃と遠藤三郎
(1)遠藤三郎:ピンチ・ヒッターとして戦場へ
(2)重慶爆撃に出動:蒋介石官邸を爆撃
(3)対米戦争の前哨戦
第十一章 アジア太平洋戦争の開幕
重慶爆撃以後の極東アジア
(1)「龍は自らその傷を癒す」
(2)スターリンは中国を売り渡すだろうか?
(3)スノウ:日米開戦必然論を展開
遠藤三郎とシンガポール・パレンバン進攻作戦
(1)遠藤三郎:マレー半島を空襲
(2)ペナン島の爆撃:最初の戦果
(3)パレンバン挺身作戦=石油獲得作戦の発動
スノウの反ファッシズム・世界戦争論
(1)スノウの講演:日本が「中国、アメリカと世界戦争」
(2)「ファッシズムと戦うアジア」を展望
第十二章 アジア太平洋戦争の展開
米軍の反抗開始からサイパン島決戦へ
(1)アメリカ軍の反撃開始
(2)遠藤の航空戦略案:参謀本部で否決される
(3)遠藤:航空兵器総局長官に任命される
(4)サイパン島決戦:「これをもって戦争の終幕とせよ」
(5)神風特別攻撃を容認
第十三章 アジア太平洋戦争の終幕
スノウのみたアジア独立運動とソ連の対日参戦
(1)ルーズベルトのアジア独立論
(2)若きネルーと裸の聖人ガンジーの印象
(3)東京への道:連合軍の反撃
(4)大東亜会議の欺瞞を看破
(5)ロシアの対日参戦:世論の形成と参戦時期
遠藤三郎の終戦日記
(1)台湾沖・航空戦果を誤報
(2)レイテ決戦:ついに「神風」の出撃
(3)無条件降伏=国体擁護と不徹底な停戦命令
第十四章 アジアの目覚め:人民の解放
戦艦ミズーリ号上の降伏調印式から天皇の人間宣言へ
(1) ミズーリ号上の降伏調印式
(2)マッカーサーの「奴隷解放宣言」
(3)遠藤三郎の「非武装平和宣言」
(4)昭和天皇の人間宣言──―神の座から人間へ
付録資料 戦後の遠藤三郎 ── 元将軍の非武装平和論の展開
国連警察部隊の設置を提唱─────
(1)土に生きる:晴耕雨読の毎日
(2)出獄後に模索した:戦後最初の「国防論」
(3)農民としての第一声:非武装平和論の原型
護憲と再軍備反対の論客として────―
(1)改憲と再軍備肯定論に対する反駁
(2)東久邇、片山、石橋元首相とともに岸信介首相の退陣を要請
(3)4度日の訪中:とくに中国人民革命軍事博物館の印象
元陸士同期生からの勧告文と遠藤の回答文────
(1)26期会からの勧告文
(2)「二六会幹事諸兄の勧告文に答える」:論旨明快な遠藤の回答
あとがき

[出版社からのコメント]
今を生きる私たちの社会の中で、先の戦争の面影を見出すことはほとんどなくなりました。かつては目にした白服を着た傷痍軍人の姿も街から消え、無事に戦争から帰還した人も心の傷を語ることは難しいでしょう。
敗戦によって、戦争の元凶とされた戦前の体制はすべて悪とされ、先の戦争に関する充分な研究がなされないまま、私たちは今の世を生きています。
戦争という巨大な殺人装置がなぜ動き出し、暴走していったのか、戦争終結から時間が流れた今だからこそ、私たちは冷静に考えることができる筈です。
私たちが、それぞれ先の戦争についての意見を持つための一助として、本書を活用していただければ、これに勝る喜びはありません。

【著者プロフィール】
吉田曠二(よしだ・ひろじ)

1937年 京都市伏見区生まれ
1960年 同志社大学法学部政治学科卒
1963年 同大学大学院修士課程卒
1964年 朝日新聞大阪本社入社 広告部に配属
1970年 アドマンとして、大阪千里万博で各国パビリオンの紹介
新聞広告読者調査、広告倫理・審査部門で活躍

主要著書
1979年 「近代日本の新聞広告と経営」朝日新聞社刊行(山本武利、津金沢総広、有山輝雄との共著)
1985年 「龍馬復活:自由民権家坂本直寛の生涯」朝日新聞社刊行
元一橋大学総長都留重人氏が1985 年度刊行の代表作三作の内の一冊に推薦
1991年 「我が生涯の新島襄」森中章光日記」不二出版 全国図書館協会推薦図書
2012年 「元陸軍中将遠藤三郎の肖像」すずさわ書店刊行
2017年 「 将軍遠藤三郎とアジア太平洋戦争」ゆまに書房刊行角川書店;
角川源義賞候補作品
全国図書館協会推薦図書

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