旧別子からの宝物:これからもその歴史、自然と共に生きていく

(著) 泉寔

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作品詳細

[商品について]
―語り伝えれば、それは生きる糧となる―
住友銅山の鉱山村として明治の終わりまで栄え、いまは廃村として完全な廃墟と化している「旧別子」。四国山脈の奥深いところにあるこの村は、祖父がかつて鉱山で請負人をしていた地であり、父の生まれた場所でもある。鉱山の生活からずいぶん経つにもかかわらず、祖父にも父にもどこか染みついている鉱山のニオイを忌避し、そこから逃れたいという思いを持っていた私は、遠く仙台の大学に進学し、卒業して教師となってからの10年間は松山に住んでいた。しかし私の中から消えかかっていた旧別子村は、松山から郷里の新居浜市に戻り、いまの学校に勤めるようになって再び目覚め始める。そしてそれは、祖父や父の生きざまを反芻し、私の中で未完成となっている故郷の図を完成させることでもあった――。
郷里である新居浜の別子銅山と自然と共に生きてきた人々の姿を見つめながら、新居浜の源泉ともいえる旧別子を綴った自伝的随筆集。

[目次]
私のなかの旧別子
旧別子行
第一回「別子山村行」
旧別子再訪
登山部顧問の頃
赤石の四季
鉱山での死者たち
戸籍の上で生きる人
一つの遭難
歌の別れ
大洲行
南光院の若住職
一つの言葉
旧別子関係の著書
別子山村の明日
前 文・はじめに
別子山の山津波(水害)
第三方面 (星加伊太郎様の話)
角石原付近
風呂屋谷方面
目出度町方面
見花谷方面
両見谷方面
高橋(通称 ヨーコーロー)方面
小足谷方面
東延方面
後書
新居浜からの便り 別子山村小足谷の女たちの物語
はじめに
新居浜からの便り 女たちの物語
泉 半次の事
祖母 泉 サヨ
半次の長女 タケ
遠藤タケの息子
泉 半次の三姉妹
篠永トラの娘、祐子のこと
半次の四女 ナミエ
泉 由徳の日記
別子銅山での中国人労働者のこと 前文
あとがき

[出版社からのコメント]
ときに働くために、ときに人生の飛躍を求めて、若者は故郷をはなれて都会へと出て行き、そこでさまざまなことを経験します。それは人生にとって貴重な糧となりますが、その一方で故郷からでなければ得ることのできない糧もあるように思います。本書を通じて多くの方が、旧別子のことや故郷のことについて思いめぐらす機会を持っていただければ嬉しく思います。

【著者プロフィール】
泉 寔(いずみ・まこと)
1936年10月12日 愛媛県新居浜市に生まれる。
東北大学文学部美学美術史学科卒。
愛媛県立砥部高校を振り出しに、松山南高校、三島高校に勤務。新居浜市立商業高校に移籍、県立移管後も同校に勤務。1996年3月退職。
新居浜工業高等専門学校教授(1996年4月~2000年3月退職)。
著書に
『私のなかの旧別子』(1994 近代文芸社)、
『さらば青春』(1996 創風社出版)、
『子規の文学―短歌と俳句』(2002 創風社出版)、
『心理小説研究序説−ヴァージニア・ウルフの作品解釈を中心として』(2011 文芸社)
『田舎教師のうた』短歌集(2019 愛媛新聞サービス・センター)
など

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