昭和思い出の記 : 大映倒産に立ち向かったサラリーマンの記録

(著) 安倍道典

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作品詳細

[商品について]
―ひとりのテレビマンの人生、そして昭和という時代―
人は何をもって自分の力とするのか、これは、激動する昭和の時代に軍師を目指した少年の物語である――サラリーマンとなった少年は「第二の敗戦」ともいうべき、会社倒産に徒手空拳で立ち向かうこととなる。本書は、激動の昭和を生き抜いた一少年の記録である。

[目次]
プロローグ
夢の中で
身体髪膚これを父母に受く
第一章 父母の時代
日露戦争始まる
囲碁にはまる
三人の英才
浮田家のこと
前衛・人見絹枝
実家の没落
第二章 戦争に傾斜する時代
昭和のはじまり
初の女性メダリスト
本因坊と対局
人見絹枝、死す
松江の四季
隠岐の生活
米子屋のお兄ちゃん
映画初体験
第三章 北京時代
中国の都
北京の庶民たち
呼び出しと行司
北京のお坊ちゃん
三国志と孔明
遊びと食べ物
やまとたけるのみこと
霊魂不滅説
大将なし県
少年軍師の誕生
第四章 日本、敗れたり
二等兵物語
武装解除
収容所生活
焼かれたアルバム
引揚げ船
第五章 中学、高校時代
買い出し生活
球技と読書
憲法第九条
母 校
クマ君を救え!
雪崩現象
俺も先生の子
力権主義
第六章 東京へ
愚弟賢兄
保守合同と中選挙区制
二人の総理夫人
主観と客観
東の南原、西の津島
第七章 重いものから軽いものへ
風雲児・永田雅一
ヴェネチア映画祭グランプリ
為さざるはなし
絶頂期の永田社長
映画六社の戦国時代
永田社長、慨嘆す
活動屋たち
日映事件と武州鉄道事件
父へのプレゼント
そこで何ができるのか
旗を立てる
赤字改革と私の役割
第八章 第二の敗戦
稼ぐに追いつく金利あり
テレビ部門独立の私案
三日間の空白
中央突破
新社、大映テレビ設立
死地からの脱出
支援の手
永田社長と私
その後の大映テレビ
全日本テレビ番組製作社連盟
エピローグ
判断するということ
激動の昭和終わる
追憶の大映(大映テレビ50周年記念誌 令和三年十月寄稿)
●資料
著者略歴

[担当からのコメント]
本書は、映画からテレビへ、そんな時代の流れの中で映像制作の世界がさすがの臨場感で描かれています。回想録の形ですが、軍師を目指した少年のいきざまが数々のヒットドラマを生みだした大映テレビの人生へと収斂していくさまは、一編の映画のような面白さがあります。当時の熱気やテレビ業界の舞台裏を知りたいという方にもお薦めです。

[著者略歴]
安倍 道典(あべ・みちのり)

1932年生まれ。香川県出身。島根県西郷小学校、徳島県福島小学校、香川県引田小学校を経て、北京城北日本国民学校卒業。
北京日本中学校1年で敗戦を迎え、引揚げ。香川県立大川中学校を経て、三本松高校卒業。慶応大学卒業後、大映本社経理部に入社。テレビ事業本部製作部長となる。
1971年の大映倒産に際し、「テレビ部門独立の私案」を提出。混乱の中で大映テレビ株式会社を設立。30年の間、代表取締役専務、社長を務める。この間、社団法人全日本テレビ番組製作社連盟の設立発起人となり、副理事長(5期)に。現在、大映テレビ名誉相談役。

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