月の狂想曲

(著) 三田薫子

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作品詳細

[商品について]
――星降る夜空を見上げ、ブーツの片方を脱ぎ捨て、不器用に踊りだした玲香。その様子は殿子の逆鱗に触れ、暴力沙汰にまで発展する。一体何を連想して殿子は激怒したのか。

1.脚に障害がある母親、2.ブーツをくれた元彼、3.水商売を生業にする自分

正解は、本書第12章「悪魔こそナイーブ」をご覧ください。
水商売を生業としていたシングルマザーの殿子の母は、赤ん坊の殿子が高熱を出して仕事を休んだ際に、ヤクザから暴力による制裁を受けてしまう。そのことで、母親は左右脚の長さが不均等になってしまう。遠からずの苦しみを抱いてきたであろう友人であり、共鳴者の玲香に、母親の障害を愚弄されたと感じた殿子は頭に血が上り、玲香の脱ぎ捨てた片割れのロングブーツの踵で玲香の顔面を叩きつけた。殿子も玲香も心の孤独さを隠すため、対面的には刺々しい性格で防備しており、暴力にまでは発展しないまでも文学表現で相手の心を抉り合う口喧嘩をいつもしている。

[出版社からのコメント]
小説家として文学的センスを磨くために、殿子と玲香は共生関係としての友人関係を始めたが、喧嘩の如く感情をぶつけ合うたびに彼女らの友情は本物になっているのではないか。そんな彼女たちが本当の親友になれたのか。結末を楽しんでいただけたらと思います。

[著者プロフィール]
三田 薫子(みた・かおるこ)
・金沢市在住。水瓶座生まれ。
・著書に「女の手取川」三部作、「串の女」「桜草子」「女恋坂」「花結び川」「母胎回帰」ほか多数。
・創作に月刊北國アクタス連載の長編時代小説「女人天華」がある。
・1990年、建設省の「水辺の未来の夢」と「夢ロード21」論文でともに大臣賞を受賞。その賞金でオーケストラ・アンサンブル金沢による交響曲「川」四部作ができる。
・日本ペンクラブ会員
・日本河川協会会員

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