松阪 城と城下町 天守閣建設と歴史・文化・町づくり

(著) 久松倫生

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作品詳細

[商品について]
―町おこしと町づくりの悩ましい問題―
城下町松阪にかつて存在し、江戸の初期に大風で倒壊した天守閣。
1982年に市議会で「松阪城天守閣建設に関する陳情」が採択された辺りから、高まりを見せ始めた天守閣再建の論議に対して、著者は疑念を抱く。
天守閣の再建には、歴史的、文化的な観点からの厳密な考証と議論が必要であり、当時の天守閣の正確な姿が分からない状態での再建計画は「無謀」としか言いようのない試みだったからである。
本書は、再建論の直中にあって、二期八年間の議員活動に携わった著者が、誤った天守閣建設論をいかに克服し、市民の合意を形成していったかを綴った記録である。
地域振興のために必要なものは何か、地域の歴史や文化あり方を考える上でも格好の一書となっている。

[目次]
『松阪 城と城下町』 電子版の発刊にあたって
序にかえて
Ⅰ 松阪の町と天守閣問題
Ⅱ 松坂の町づくりと氏郷
Ⅲ 近世都市形成と楽市令 ──松坂「町中掟」の意義について──
Ⅳ 「松阪城」天守閣建設についての諸問題
Ⅴ 天守閣再建は文化たり得るか
Ⅵ 歴史をみる視点について ──城下町シンポジウムに参加して──
Ⅶ 松坂城の実体 ──松坂城跡発掘調査説明会に参加して──
Ⅷ 具体像なき再建に疑問
Ⅸ 天守閣論議の問題点
Ⅹ 歴史と文化を生かす町づくり
あとがき
まとめを終えて
著者略歴

[出版社からのコメント]
地域の歴史と文化をどの様に残していくかは、今も昔も重要な議論のテーマのひとつです。歴史的・文化的な遺産は地域の貴重な観光資源ともなりうるものであるとなれば、議論は尚更むずかしくなります。
本書は、実際に松阪で起こった天守閣再建問題について、どの様な問題があったのかということを当事者の視点で知ることができる内容になっています。今後も様々な地域で起こりうるであろう歴史・文化遺産に関する諸問題に対して、解決の糸口を得る一助として本書をご活用いただければ嬉しく思います。

【著者プロフィール】
久松 倫生(ひさまつ・みちお)
1952年 三重県松阪市生まれ
      静岡大学人文学部卒(日本史専攻)、同専攻科修了
1978年 松阪市職員 教育委員会勤務
1987年 松阪市議会議員当選 以来通算7期
この間、総務委員長、総務企画委員長、広域消防議会議長、
    図書館改革特別委員長など歴任
現在 議会改革特別委員長

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