浮遊する言葉の幻影:小牟禮昭憲詩集

(著) 小牟禮昭憲

Amazon

作品詳細

[商品について]
―生の暗闇の中に言葉の火花がはじけ輝く―
孤独の影に微笑んだことがあるだろうか。
覚めない眠りを願うことはあるだろうか。
生まれてくるんじゃなかったと思うことはあるだろうか。
他人の白々しさが身にしみることはあるだろうか。
この生そのものに馴染めないと感じることはあるだろうか。
小説『終わりのない旅』、歌集『「賢者の石」は石にあらず』など、移ろいゆくいのちの日常を鋭い目線で見つめ続けてきた著者が、めくるめく言葉の世界へと誘う171篇の作品を収めた詩集。

[目次]
腐乱死体の正体は?
自らを見失わないために
荒磯の浜で蟹と戯る
敵はグラマン1千機
黒く塗れ
砕けちまった慄きに
嘆きの壁
今はまだ人生を語らず
生きるだけなら生きられる
一銭五厘の文
悪魔の裏声
身捨つるほどの祖国はありや
遅すぎることはない
トルファンの嘆き
舌打ち人生
二度と生まれてくるものか
雨乞いの歌
タイトル未定
オアシスの夢
シャーマンの記憶
どなたかわしを知らないか
モーゼの怒り
タイトル未定
夕闇の少年
未必の故意は蜜の味
人形の恋
自由人の不自由
けぶる雨に流れる心
落ち葉の季節
死に急ぐ人々へ
訣別の詩
出自の迷妄
幻聴の誘惑
迎え火に焦がれて
五本の指
春の舞姫
迷い猫
牛の金玉大パーティ
のっぺやぽう
この世の名残
河原で石積むを思う
無辜の石塔
闇の褥
夏の終わりの夕立
タイトル未定
十六羅漢の嘆き
数珠玉揉んで
蒼い髑髏
ああ、人生と呟くか
昨日の夢を食った獏
朝顔の露
翼の焼けた天使
水のない川
救われぬもの
三行詩
西の頬が温かい
凍りついたため息
一夜の夢
川の向こう
約束の地
私の人生
朝顔を見ていたら
野垂れ死に
天使の心に目を焼かれ
迷いの道
知林ヶ島に咲く花は
シャボン玉の中の不安
崩れゆく空と大地
終わりを告げるリンリンと
羅漢の嘆き
草笛
男と女
憂鬱なるもの
砂山の幻覚
秋錆びて吹く風は
身を持て余し
戸惑う船
黄昏た夢
鬼に憐れみを
半畳の寝間
魘されて
いつかの海鳴り
時を忘れて
天空の眼
モザイクの顔
光と影
浮橋
いずこへ
心に咲く花
握り飯を懐に
荒魂の大地
うらぶれて
記憶の断片
足が出た
橋のない川
今日を越えて
眩暈
死の谷
木枯らしの町
陽射し延びる
千鳥足
殿上人
式部の雨
倦怠期
忘れじの君
大陸の風
静寂の夜に
不幸なものは寄ってきて
枯葉は踊る
乾いたふるさと
老いらくの影
雲の切れ間に
干からびた青春
不可避の迷子
誘惑
おののく心
死んだあの子は今いくつ
浅き夢見し
人は絶え間なく
生きられなかった生
夢の跡
いつかの少年
春はいつ来る
千の風
生きづらきかな
誰かの独り言
砂山の鉄塊
春霞
鍬を振るう子供たち
昼花火
やどかり
遊子
女子医者(おなごせんせい)
沈黙
巡礼
花追いて
かつての戦い
淡き思い 人生について
雨にぬれても
第二の生
坂のてっ辺
悪しき子の夢
誰か助けて
ゆらゆら
隠微な花
行灯の油
道はなく
満天の星
遠回り
影なるもの
子供将軍
化石の人々
世捨て人
最後の勇気
燃え尽きた地図
誰か私をしらないか
嫌われ者の一生
万古の水
敗残兵語らず
語らぬ人
村はずれの森
北斗の星
野生の呼び声
弥勒の錯乱
暮れなずむ
狂人の歌
「命長らえば」
消えた自己
酒と子守唄
陽気な盗人
著者略歴

[出版社からのコメント]
詩人の言葉は、ときに私たちの生きる世界を象り、ときに世界を切り裂きながら、読者の心の世界に分け入って思わぬ化学反応とともに新たな心象世界を創り出すことがあります。本書に収められた言葉からいかなる世界が紡ぎ出されるのか、ぜひ手に取ってご覧いただければ嬉しく思います。

【著者略歴】
小牟禮 昭憲(こむれ・あきのり)

1950年、(昭和)鹿児島県生まれ。小学校・中学校・高等学校と地元で過ごす。
1968年、日本大学芸術学部入学、1973年卒業。この間同級生の佐藤万知子と結婚、本格的に執筆活動を始める。
1980年、二人して白梅学園短期大学心理技術科に入学、心理学を学ぶ。1982年卒業と同時に万知子の故郷である福島県福島市に転居。
2000年、「群青の彼方」(終わりのない旅)を発表、2002年「続・群青の彼方」(続・終わりのない旅)を発表。
2015年、万知子死去。現在に至る。

新刊情報

22世紀アート
オフィシャルコーポレートサイト

百折不撓