渡辺崋山の政治と芸術の探検:幕末の知識人の苦悩を探求する

(著) 別所興一

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[商品について]
―グローバルな思想をもった稀有の思想家の実像とは―
江戸時代後期の武士であり文人画家である渡辺崋山は、蛮社の獄によって悲劇的な最期を遂げたことで知られている。その画業は現在も愛され、その思想も忠孝道徳の士として多くの人の模範となっている。しかし、こうした偶像化された崋山像からは、先進的であった崋山の思想の現代性や独自性を捉えることは難しいのではないか――、本書はそうした視点から、大戦前に形成された〝崋山伝説〟を検討・批判し、一人の人間としての崋山の実像を浮き彫りにしながら、グローバルな思想家としての崋山を再評価しようと試みる作品である。
「第三の開国」とも言うべき時代に生きる今、あらためて崋山の多彩な言説や画作から学び、新たな歴史の活路を見出すための一書として、示唆に富む内容となっている。

[目次]
はじめに――今なぜ渡辺崋山か
一 崋山の生い立ちと画業
1 青少年期の崋山
2 風俗画『一掃百態』の前後
3 西洋画法の導入
4 肖像画と花鳥画
5 絶筆『黄粱一炊図』
6 政治と絵画の矛盾
7 崋山と椿山との学画問答
二 郷国田原へのまなざしと民生安定の努力
8 田原を訪れたのは五回
9 郷国田原へのまなざし
10 藩主への意見具申
11 崋山の農政思想
12 家老職の立場からの民生安定
三 崋山の学問観と世界認識
13 儒学と蘭学の統合
14 西洋の実学精神
15 グローバルな世界認識
16 〝世界普遍の道理〟の自覚
17 崋山の文明史観と福沢諭吉
四 蛮社の獄と田原幽居の生活
18 蛮社の獄の背景
19 崋山の入獄とその救援運動
20 崋山の田原蟄居中の生活
21 崋山晩年の思想と自刃
五 崋山没後の田原と日本
22 崋山の門弟たちの活躍
23 幕末田原藩の動向
24 明治時代の崋山像
25 大正・昭和・平成の崋山像
参考文献
渡辺崋山略年表
あとがき


[出版社からのコメント]
明治政府が、列強に追いつくために文明開化や富国強兵を推し進める中で置き去りにしてきたものの中には、古き良き日本だけではなく、日本という地で芽吹いた先進的で独創的な思想も含まれていたということを、改めて見直す必要があるように思います。渡辺崋山の名前は、現在では主に文人画家として知られていますが、本書を機にぜひ開国前夜の徳川知識人・開明思想家としての崋山の側面も知っていただければ嬉しく思います。

[著者プロフィール]
別所 興一(べっしょ・こういち)
1939年 愛知県田原市田原町生まれ
1962年 名古屋大学文学部国史科卒業
      愛知県立高校教諭、愛知大学非常勤講師・経営学部教授、『愛知県史』調査執筆委員を経て、
現   在 公益財団法人・崋山会評議員、日本社会文学会会員
主な著書など=杉浦明平との共編著『江戸期の開明思想』(社会評論社)、翻刻・現代語訳・註・解説「大蔵永常著『門田の栄』」(『日本農書全集』第62巻、農文協)、共編著『入門 歴史教育――授業づくりの視点と方法』(あるむ)、共編著『杉浦明平を読む 〝地域〟から〝世界〟へ』(風媒社)、論文「勝海舟の東アジア認識と文明開化観」(『自然と実学』4号)、「渡辺崋山の学問観と教育思想」(小島康敬編『東アジア世界の〝知〟と学問』勉誠出版)など。
なお、2016年に訳注書『渡辺崋山書簡集』(平凡社・東洋文庫)を刊行した。
研究分野=渡辺崋山とその時代を中心に江戸後期~明治前期の文化・思想史

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