瀬戸の潮鳴り: ハンセン病の歌人・明石海人の生涯

(著) 松田範祐

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作品詳細

ハンセン病の歌人・明石海人の、苦悩と愛に満ちた37年間の生涯を描いた伝記小説。
「『道端に咲いて、黙殺される雑草でもいい。私も私にしか咲かせられない花を咲かせたい。咲かせる前に枯れ果てるなんて、絶対にいやだ。……自分の全人格、全エネルギー、その他いっさいを注ぎ込んで、生きるに価する何かに打ち込み、その達成感をかみしめたい。でなければ、生きているとは言えないんじゃないか、と』」(本文より)
明治三十四年七月五日、静岡県駿東郡片浜村に生まれた明石海人、本名は野田勝太郎。25歳の時にハンセン病の宣告を受け、岡山県の国立療養所「長島愛生園」で療養生活を送ることに。後に闘病の歌や歌集『白描』が日本歌壇の脚光を浴びるも、37歳という若さでこの世を去る——発病し、失明し、手足の自由を失い、声帯を失いながらも歌い続けた歌人の姿に、生への執着を越えた己が存在理由の追求を見る、感動の一冊。

【著者プロフィール】
松田 範祐(まつだ・のりよし)
昭和15年8月2日、サイパン島ニテ生マレル。慶応義塾大学卒業。
現在、母校ノ関西高等学校教諭。日本児童文学者協会会員・龍短歌会同人、児童文学会「松ボックリ」同人。ファンタジー小説・童話ノ出版歴ハ以下ノ通リ。
・「チポリノ国ノ物語」(国土社)
・「キツネクンノテジナ」(文溪堂)
・「クマクンハビョウキデス」(文溪堂)
・「ウサギサンノタカラモノ」(文溪堂)
・「タヌキクンノカクレンボ」(文溪堂)

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