炎ありき:家族たちの辰野事件【電子書籍版】

(著) 神戸直江

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作品詳細

―事件から約70年、無罪判決から約50年を経たいま、あらためて「辰野事件」を世に問う―
辰野事件は、昭和27年に長野県警が警察署襲撃犯として日本共産党員13名を逮捕したことに端を発する冤罪事件である。彼らが無罪を勝ち取るまでの道のりを、本書では一人の被告人の妻の視点から描いている。
事件発生から無罪を勝ち取るまで20年――。
志半ばで本人や家族がこの世を去る中で、諦めることなく運動を継続し、導火線は音を立てないで燃えるという事実や、証拠品のズボンに付着した、あるはずのない硫酸痕などから、調書も証拠も偽造であることを徐々に明らかにしていく。
本書は、辰野事件を闘った被告人と家族たちの物語であると同時に、誰の身にも起こりうる冤罪の恐ろしさを知ることができる、現代人必読の書である。

――「辰野事件」の被告と家族の自信と明るいたたかいの記録
(作家・佐野洋 2001年5月1日『炎ありき』神戸直江著 光陽出版社 帯文より)
――「大きなスケール、冤罪事件を妻の視点で描いた稀有な物語
(作家・森与志男 2001年5月1日『炎ありき』神戸直江著 光陽出版社 帯文より)

「目次]
一 結 婚
二 母と子
三 差し当たり有罪判決
四 親子四人
五 選挙の勝利
六 岡 谷
七 音のしない導火線・現地調査
八 解 明
九 背水の陣
十 救援会の懐
十一 子等のたたかい
十二 父と子の夜話
十三 最終陳述
十四 判 決
著者略歴

[出版社からのコメント]
冤罪事件は、残念ながら現在でも発生し続けています。「火のないところに煙は立たない」という言葉は、冤罪事件にはあてはまりません。むしろ「火のないところに煙を立たせる」のが冤罪といってもいいようにさえ思われます。
冤罪事件の多くには「自白」が介在していることに鑑みれば、私たちが「客観的な証拠」に基づいて物事を判断するという意識を持つことは、非常に重要になります。本書によって一人でも多くの方が冤罪という事象に目を向け、社会のあり方について考える機会を持っていただけることを願います。

[著者プロフィール]
神戸 直江(ごうど・なおえ)

1931年 長野県小諸市に生まれる。
1995年 日本民主文学会会員現在に至る。

著 書 赤い着物 ともしび出版部
    歌集 ゆび触れて 千曲出版
    歌集 大きな虹 文藝出版

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