王子さまはハレー彗星だったー天文と聖書で読み解『星の王子さま』の世界ー

(著) 椚山義次

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―星と聖書の物語―


世界中で愛され、聖書や『資本論』の次にたくさんの人に読まれていると言われている『星の王子さま』。 本書は、サン=テグジュペリの最後の作品となった『星の王子さま』の中にある、さまざまな謎を解き明かそうとする作品です。 この小さな王子様の不思議な物語は、星=「天文」のお話であり、そして「聖書」に基づくお話でもあるということを、根拠となるテキストや資料をもとに紹介していきます。 サン=テグジュペリの遊び心によって物語にちりばめられた謎を楽しみながら、皆さんだけの『星の王子さま』をぜひ発見してみてください。


「目次]



はじめに

☆数えるということ

☆目に見える数字、見えない数。

☆ゲマトリア数秘術

第1章  王子さまはハレー彗星だった

王子さまのマフラーの秘密

彗星に関すると思われる記述一覧

(1)王子さまの夢のような姿が、ぽぅっと光ったような気がしました。(3章)

(2)その星は、1909年に、トルコの天文学者が、望遠鏡で一度見たきりの星なのです。(4章)

(3)王子さまは、あるところでは大きすぎたり、また、あるところでは小さすぎたりしています。それから、着物の色も、これではどうかと思ったりします。そうなると、ぼくはやみのなかをさぐるようにして、どうにかこうにか、それらしいものにするほかありません。(4章)

(4)「目のさめるような金色の髪を風にゆすっていました。」(7章)

(5)あらごめんなさい。あたくし、まだ髪をといていませんから……あたくし、お日さまといっしょに、生まれたんですわ。(8章)

(6)星が光ってるのは、みんながいつか、自分の星に帰っていけるためなのかなあ。ぼくの星をごらん。ちょうど、真上に光ってるよ……だけどなんて遠いんだろう!(17章)

(7)あんたのその金色の髪は美しいなあ。あんたがおれと仲よくしてくれたら、おれにや、そいつが、すばらしいものに見えるだろう。金色の麦をみると、あんたを思い出すだろうな。麦を吹く風の音も、おれにやうれしいだろうな……(21章)

(8)それは、のどのかわきがケロリとなおるという、すばらしい丸薬を売っているあきんどでした。(23章)

(9)ぼくは、月の光で、王子さまの青白い顔を見ていました。ふさいでいる目を見ていました。ふさふさした髪の毛が、風にふるえているのを見ていました。そして、いま、こうして目の前にみているのは、人間の外がわだけだ、一ばんたいせつなものは、目に見えないのだ……と思っていました。(24章)

(10)このぼっちゃん、どんなにあぶないことになっているか、わかっていないんだ。ひもじい思いをしたためしもないし、のどがかわいたためしもないんだ。ほんのちょっと、日の光がさしてくれば、それで満足してるんだ。(24章)

(11)ね、ぼくは、この地球におりてきたろう?……あしたは1年目の記念日なんだよ……(25章)

(12)今夜で1年になる。ぼくの星は、去年、ぼくがおりてきたとこの、ちょうど真上にくるよ……(26章)

(13)その顔は、雪のように白くなっていました。(26章)

(14)人間はみんな、ちがった目で星を見てるんだ。旅行する人の目から見ると、星は案内者なんだ。(26章)

(15)王子さまがいつも首にまいている金色のえりまきをほどきました。(26章)

(16)これが、僕にとっては、この世の中で一ばん美しくって、一ばん悲しい景色です。前のページにあるのと、おなじ景色ですけれど、みなさんによくお見せしようと思って、もう一度かきました。王子さまが、この地球の上にすがたを見せて、それからまた、すがたを消したのは、ここなのです。もし、あなたがたが、いつかアフリカの砂漠を旅行なさるようなことがあったら、すぐ、ここだな、とわかるように、この景色をよく見ておいてください。そして、もし、このところを、お通りになるようでしたら、おねがいですから、おいそぎにならないでください。そして、この星が、丁度、あなたがたの頭の上にくるときを、おまちください。そのとき、子どもが、あながたのそばにきて、笑って、金色の髪をしていて、なにをきいても、だまりこくっているようでしたら、あなたがたは、ああ、この人だな、と、確かにお察しがつくでしょう。そうしたら、どうぞ、こんなかなしみにしずんでいるぼくをなぐさめてください。王子さまがもどってきた、と、一刻も早く手紙をかいてください……(エピローグ)

コラム① エドモンド・ハレーとニュートン

忽然と消え、よみがえる星

第2章  王子さまの星巡り

太陽系の最果て“オールトの雲”から

冥王星 第一の星は、王さまが住んでいました。(10章)

海王星  二ばんめの星には、うぬぼれ男が住んでいました。(11章)

天王星  つぎの星には、呑み助が住んでいました(12章)

コラム② 点燈夫の星は特別の星?

土星  4ばんめの星は、実業屋の星でした。(13章)

火星  5ばんめの星はとてもめずらしい星でした。星のうちで一ばん小さな星でした。(14章)

木星  6ばんめの星は、十倍も大きな星でした。(15章)

コラム③ガリレオと土星

第3章  『星の王子さま』に鏤められた星々の話

しし(獅子)座(Leo)

かに(蟹)座(Cancer)M44

44にまつわる話

44の悲しい結末

はえ(蠅)座(Musca)

うみへび(海蛇)座(Hydra)

第4章  『星の王子さま』の中で気になる言葉

(1)「そりゃ人じゃなくて、キノコなんだ」(7章)

(2)「さよならと、王子さまは花にいいました。」(9章)

(3)「〈飼いならす〉って、それ、なんのことだい?」(21章)

(4)砂漠が美しいのは、どこかに井戸をかくしているからだよ…」(24章)

(5)「30秒の間に、ひとの命を断ちきる黄いろいヘビ」(26章)

(6)「ぼく、きみのそば、はなれないよ」(第26章)

(7)「ぼく、病気になってるような顔しそうだよ…なんだか、生きてないような顔をしそうだよ。…」(26章)

(8)「ぼくは、だまっていました。」(26章)

参考文献一覧

あとがき

著者略歴


[出版社からのコメント]

子どものころに『星の王子さま』を読んだ記憶のある方も多いでしょう。しかし、その物語の中にさまざまな仕掛けがあると気づくことは、難しいかもしれません。大人になったからこそできる『星の王子さま』の謎解きを、本書を通じて多くの方に楽しんでいただければ嬉しく思います。


【著者略歴】

椚山義次(くぬぎやま・よしつぐ)


1949年福島県生まれ。

日本ヘブライ文学研究所(附属ウガリト独立図書館)代表。 宮沢賢治・三春の会(1995年発足)、西洋古典文学研究会カイロス主宰。 2006年から福島大学生涯学習教育研究センター公開講座(2007年から福島大学地域創造支援センター)講師。 元、日本比較文学会東北支部会員、東亜天文学会会員。


著書、椚山義次・富永国比古共著『銀河鉄道の夜と聖書』キリスト新聞社(2015)

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