精神医学は、死へと誘う:作られた「心の病」と「抑圧」の歴史

(著) 小倉謙

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作品詳細

[商品について]
―精神医学という思想と、その実践がもたらすもの―
異常な精神状態の診断・予防を目的とする臨床医学の一分科と定義される精神医学は、今や社会の様々な分野に取り入れられ、「心の専門家」として確固とした地位を築きつつある。しかし本当は、医学でもなく、科学でもない、診断も治療も予防も到底できない理論と技術の体系であり、事実に沿って定義するならば、「人々を無力化し、支配―奴隷の関係を構築する思想に立脚した理論と実践」とするのが正しい存在である。本書は、「市民の人権擁護の会」の中で精神医学の実態を調査してきた著者が、「より良い精神医学の実現」は幻想であり、正しい精神医学というものは存在しないことを明らかにするために、その歴史を振り返りながら、精神医学の真の姿を伝え、世に警鐘を鳴らす作品である。

[目次]
まえがき
第1章 精神医学を語る前に…
第2章 精神医学とは
1 精神医学とは「医学」でも「科学」でもない
2 精神医学の定義
3 精神医学の6つの誤り
① 失敗した技術を使う
② ぶら下がる
③ 繰りかえす
④「刺激―反応のメカニズム」が治療の根本
⑤ 道徳規範を破壊させる
⑥ 当たりさわりのない従順な人を作る
第3章 精神医学の歴史
1 「精神医学以前」の精神医学的実践
2 信じられない治療法の歴史
3 現代精神医学の起源
① ルートヴィッヒとヴントによる実験心理学
② 行動修正主義
③ 日本における状況
4 精神医学の拡大とその背景
① 権力の中枢にぶら下がる
② 優生学による国家支配
③ 日本における優生学
④ アメリカにおける優生学
⑥ 「T4作戦」を主導した優生学精神科医たち
⑦ 裁かれなかった優生学精神科医たち
⑧ 優生学精神科医たちの再就職先
⑨ 医師の地位を獲得した精神科医たち
⑩ 精神医学史上、最大の科学的ウソ、「モノアミン仮説」の登場
第4章 破壊の裏に潜む精神医学
1 教育への介入
2 福祉への介入
3 司法への介入
4 経済・産業への介入
5 宗教への介入
6 世界精神保健連盟
あとがき
著者略歴

[出版社からのコメント]
精神病院には、かつては暗くて恐ろしい場所というイメージがありました。現在の精神病院からはそうしたイメージは感じにくくなっていますが、その本質的な部分は変わってはいないのだろうと思います。精神医学にどの様な立場を取っているとしても、市民社会のひとりとして、ぜひ多くの方に本書を手に取っていただき、私たちが直面する問題について考える機会を持っていただけることを願います。

【著者略歴】
小倉謙(おぐら・ゆずる)

1968年生まれ 神奈川県川崎市出身 日本大学法学部卒
市民の人権擁護の会日本支部(CCHR Japan)世話役
市民の人権擁護の会は「人間の尊厳の回復」を目指す中、その最も大きな障害となっている「精神医療」の治療による悪化や死亡事例または自死(自殺)や社会不安を煽る他害行為の助長などの人権侵害や、不正診療報酬請求、無資格診療、無診察投薬などの不正行為、不当な隔離拘束などの事例を調査し、精神医療の実態を公表するなどの活動を行っている市民団体。1969年、精神医療の人権侵害を調査・摘発するために、サイエントロジー教会と米シラキュース大学名誉教授のトーマス・サズ博士(故人)によってアメリカ・ロサンゼルスに創設された。

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