美杉村のはなし:すこし不思議ですこし怖い、古老がかたる民話と伝承

(著) 坂本幸

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作品詳細

[商品について]
―昔から、わけも無しに謂われはない―
大化の改新の頃に鬼たちを従えて暴れまわった将軍・藤原千方、剣聖・塚原卜伝と交流を深め「一つ太刀」の秘法を授けられながらも非業の死を遂げた北畠具教など、美杉村ではかつてこの地に生まれ消えて行った歴史の名残や不思議な伝承、信仰を語り伝えてきた。本書は、そうした土地の昔話や伝説に関する歴史話を、人を訪ね資料をひもときながら採集しまとめた作品である。厳しい自然の中で神仏を敬い、人の業に翻弄されながらも生きてきた人々の息遣いを感じる昔語りとして、また当時の人々の生活や風習を知る資料として、示唆に富む内容となっている。

[目次]
第1章 北畠のいくさ物語
野島黒太夫
赤松塚
塚原卜伝
一つ太刀を盗む
弥三郎の矢
具教公の最期
雪姫さま(北畠千代御前)
伝道院の石を斬る
本能寺に討ち入る
第2章 村の不思議と哀しいはなし
多気七不思議
田荒らしの龍
明かりを絶やさないわけ
中山地蔵
神さまの宿った石
人だま
誰にもいうなよ
やけど薬
世古の六体地蔵さん
火付けの術
見栗峠
人 柱
おゆわ淵
犬で没落した家
桜峠は怖いとこ
げんよも虫
百姓の返り討ち
血首の井戸
川を上った首
第3章 村の信仰と精霊たち
日神の六代君の墓
七羽の白鳥
長楽寺のお薬師さん
女郎石さん
虫送り縁起
川を歩いた仏さま
第4章 人々の暮らしと動物たち
ひょう丹が辻
皇子討ち谷
旅の坊さん
とな重親分と五寸釘の寅吉
血の滝と大入道
女相撲とり
偽小判
孝子杢兵衛さん
弘法栗
いないふの淵の大蛇
曽爾峠の大蛇
石柱になった若者
櫃坂の赤滝
蛇の祟り
お亀が池
半兵衛ぎつね
著者略歴

[出版社からのコメント]
民俗や土地の歴史を伝える方法はさまざまですが、昔話や民話、伝承といったものほど当時の人々の息吹を感じさせるものあまりありません。そこで語られる厳しい自然や、時代のうねりの中で当時の人々の直面した現実のひとつの姿を、過去から未来へと語り継ぐことができる文化的な豊かさを味わいながら、楽しんでいただければ嬉しく思います。

【著者略歴】
坂本 幸(さかもと こう)
昭和15年 鳥取県に生まれる。
日南町山上中学校卒業。
昭和44年結婚後、農業兼しめじ栽培の傍ら、土地の昔話、伝説に関する歴史話を採集し、村の広報紙に連載、また伝説を紙芝居にして語る。
昭和56年2月、NHKテレビ「今日のリポート」で放映される。
昭和58年から同人誌「洞人」を主宰、発行。
昭和62年、三重県立図書館・三重県読書推進運動協議会共催の第3回手作り絵本で優秀賞受賞。
環境問題にも取り組む。

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