老いて死を懼れず――青春は、人生の最後にやってくる:大前繁雄・政治家人生回顧録

(著) 大前繁雄

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[商品について]

―死を懼れ老いを忌む人に語りかける、ひとりの政治家の人生―

13年間のサラリーマン勤務ののち兵庫県議会議員に立候補して6期21年、その後国政へと進出して当時の土井たか子社民党党首を破って以来衆議院議員を2期6年を務めた政治家・大前繁雄は、30年近い議員生活の中で何を思い、何を為してきたのか――傘寿をむかえた著者が、「青春が老境にある」と感じるその心境を、自身の生い立ちと政治家人生、そして皇室典範改正への活動と併せて率直に綴る。【本書は2021年出版の『余命十年、回想八十年 : 青春は老境にあり』を電子書籍化したものです】


[目次]

まえがき

第一部「余命十年」

一、思わぬ形で訪れたリタイア

1.世間の耳目をあつめたマスコミ報道

2.大前学園の社保庁土地取得問題

3.〝怪我(けが)の功名〟が本当の大ケガに

4.政治生命を奪われるも肉体生命救われる

二、余命十年

1.傘寿を迎えた父の言葉

2.あっという間に自分が傘寿に

3.青春は老境にこそ

三、老境を楽しむとは

1.老いて「死」を克服

2.自由な時間が存分にあるということ

第二部「回想八十年」

一、生い立ち~小学校時代

1.兵庫県川辺郡川西町(現川西市)に生まれる

2.寝小便に苦しむ

3.万引きのトラウマ

4.読書好き

5.尼崎へ転居、転校

6.凝り性

7.器楽合奏部に所属

8.社会的常識が異常に発達した子

二、中学・高校時代

1.不良生徒が多い中学校に進学

2.成績劣等なるも知能指数高い

3.〝一日十五ページ〟で勉強の習慣づけをしてくれた三年生の担任

4.職業高校志望も普通高校へ

5.県立尼崎高校バスケット部に入部するも体を壊し一学期で退部

6.一年生秋の実力テストで四百番、不良生徒の仲間入り

7.二年生の夏一念発起、一日十四時間半の猛勉強を開始

8.現役受験は第一志望の阪大文学部ほか国立はすべて不合格

9.友人の誘いで京都の予備校に通い京大めざす

10.進路も法学部に変え、京都大学合格

三、大学時代

1.反全学連の日本学生協議会(略称「日学協」)に入会

2.二回生から日学協委員長に就任、組織拡大を図る

3.市村真一先生のご指導のもと、読書に励む

4.日学協OB会「弘志会」の結成と日学協の発展的消滅

5.将来政治家たることを見すえ、政治学の猪木正道先生のゼミ生に

6.思想、人格形成に大きな影響を与えた二人の恩師

7.ジャーナリストめざし朝日新聞社を受験するも不合格

8.ロールシャッハテストで中央公論社も不合格

9.選挙に強い建設業という見立てで中堅ゼネコンの青木建設入社

四、青木建設時代

1.新入社員教育で自衛隊に体験入隊

2.いきなりの工事現場勤務

3.妻との出会いと結婚

4.障害を背負って長男誕生

5.青木建設労働組合委員長に

6.東京本社勤務へ

7.民社党兵庫県連から県議選出馬要請

五、サラリーマンから県会議員へ

1.準備期間三ヶ月、三十六歳で兵庫県議会最年少議員に

2.演説のコツを教えてくれたベテラン議員のひと言

3.心身障害児者福祉・教育の充実に尽力

4.北朝鮮に渡った日本人妻救援活動に取り組む

5.拉致問題にいち早く取り組む

6.南京大虐殺、従軍慰安婦問題など自虐的教科書を正す活動に注力

7.民社党を離党無所属に

六、国会めざすも重なる挫折

1.日本新党からスカウトされ国政めざす

2.小池ゆりこさんの選対本部長に

3.尼崎日本新党の要請で尼崎市長選挙出馬めざすも挫折

4.阪神淡路大震災の勃発と県会五期目当選

5.西宮市長選挙出馬も二十八票差惜敗

6.十年遅れて再度国政進出めざすも、自民党公認取得に苦労

7.土井たか子社民党党首(当時)を倒し晴れて国会議員に

七、充実した六年間の国会議員時代

1.猛烈に勉強する自民党議員に驚く

2.左右ウイングの広い自民党

3.新人議員ながら拉致議連事務局次長に就任

4.見解の相違で拉致議連退会

5.皇位継承問題で女性、女系天皇容認の立場から論陣を張る

八、リタイアへ

1.前立腺がんを患うなど、健康不安に

2.社保庁土地取得報道で落選、国政引退

3.再度西宮市長選挙に出馬するも二千票差で落選、政界引退

九、結び―良き後継者を得て

1.政治の後継者として二女の春代が県会議員に

2.教育の後継者として二男の繁明が学校法人大前学園の理事長に

3.座右の銘「知った人に偉い人なし」(ロシアの古い格言)

第三部『参考余録』

一、大前繁雄著『美と形式と純粋』―三島由紀夫論―

1.文学における美

2.文化に於ける形式

3.政治における純粋

二、大前繁雄・中島英迪著『皇室典範改正への緊急提言』書評・論評

◆雑誌『国体文化』 令和三年三月号  『徹底的かつ実現可能性のある議論を~読者諸兄姉に早急な議論を呼びかける~』

里見日本文化学研究所研究員 ・立命館大学文学修士 三浦充喜

◆雑誌『日本』 令和三年三月号  『「皇女制度」報道を追ふ』(一部抜粋)

水戸史学会副会長 久野勝弥

三、講演録 「原発問題にみる日本人の国民性」

1.自己紹介

2.生き残った原発の安全神話

3.もう一つの安全神話

4.反原発運動に見る日本人の国民性

5.結び―急がれる温暖化対策

あとがき

【著者略歴】


[担当からのコメント]

老境にはいって今が青春期だと思える人生なんて中々ないと思う方が多いかも知れませんが、政治家として一筋縄ではいかない世界を生きてきたその力の源泉は、決して特別なものではないことが本書では語られています。人生大変だけど頑張りたいと思う方に、ぜひお薦めしたい一書です。


【著者略歴】

大前 繁雄(おおまえ しげお)


昭和17年兵庫県生まれ。県立尼崎高校を経て、昭和41年京都大学法学部卒業。株式会社青木建設に13年間勤務ののち、昭和54年から兵庫県議会議員6期21年。平成15年衆議院選挙で土井たか子社民党党首(当時)を倒し初当選、以後2期6年をつとめる。

平成元年学校法人大前学園を創設し、高等専修学校の運営にあたる。(平成元年~平成22年理事長。平成22年~理事)。

平成11年藍綬褒章、平成23年旭日中授章をそれぞれ授章。


著書に『日本の将来を考える』(共著)、『皇室典範改正への緊急提言』(共著)ほか。

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