脳電気ショックの恐怖再び【電子書籍版】

(著) 水野昭夫

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作品詳細

電気ショックのことを省略して以下にESと呼ぶことにします。ESを使って患者さんを「おとなしくさせること」が治療であると考える人たちは、電気痙攣療法ECTと呼びます。保険医療の診療報酬を決める規定の中でもECTと呼ばれ、いわば治療手段の一つとして認定されているのです。
私はこの処置は患者の「脳機能を低下させ」て扱いやすくするだけの「人権侵害に当たる犯罪行為である」と断定できると考えています。そこでECTと呼ばず、「ES処置」(処置という言葉は省略しESだけで表現します)と呼んで誤解されないようにしておこうと思います。ECTという用語を今後この本の中で使用する場合には〈EC(T)〉と表記します。これは「私自身は治療とは認めていないけど、治療と考える人はECTと呼んでいる」という表現であると解釈して下さい。

【著者プロフィール】
水野昭夫(みずの あきお)
一九四三年、宮崎県都城市に生まれる。
一九六八年、鹿児島大学医学部卒業。
一九七五年、宮崎市内で開業。現在、医療法人如月会理事長。

著書
『診療室から』(鉱脈社、一九七九年)
『思春期病棟』(鉱脈社、一九八四年)
『若草病院デイケア日誌』(日本評論社、一九八八年)
『葛藤する思春期』(日本評論社、一九八九年)
『家族がひらく』(日本評論社、一九九一年)
その他『現代のエスプリ』(二〇〇四年八月号)
訪問カウンセリング特集号の座談会に参加。「往診家族療法…… 思春期の子供達の治療を中心として」寄稿。NHKラジオ深夜便で「往診家族療法」と題して喋らせて頂く(二〇〇三年三月と四月)

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