自立支援アパートと往診家族療法 : 個人の意志を尊重する精神科医療 : 障害者および老人の介護 : 70歳の医師からの呼び掛け【電子書籍版】
(著) 水野昭夫
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精神科医療改革の私の中心課題は〈個人の、その人なりの生き方(人権)を尊重する〉ということでした。〈社会や家族のための病院ではなくて、一人の人間を治療し、支えるための医療〉を目指すということです。もちろん〈社会や家族の安全や幸せ〉を犠牲にして一人の患者さんの〈安全や幸せ〉は守れません。しかし、〈社会や家族の安全や幸せ〉のために〈一人の患者さんの人権を奪う〉ことは許されないのです。そこのところを曖昧なまま、涼しい顔をしていて真面な人間ではありません。個人の、その人なりの生き方(人権)を尊重するには、〈可能な限り早めに退院させ、通院医療(最近では在宅医療と呼ばれる)に切り替えること〉が絶対的に必要です。如何に努めても、入院医療や施設介護では〈管理者側の価値観を押し付け、個人の意思(人権)は犠牲にされがち〉なのです。〈グループホーム、援護寮、老人ホームなどと呼ばれる介護・保護施設〉でも病院と同じく管理するという意味で、人権を制約し、侵害してしまいます。〈生活する空間は「誰の支配も受けないもの」でなければならない〉のです。ところが、様々な症状を持っている患者さんは〈そう簡単に管理型施設から退去させられない〉のが現実です。〈お世話する家族の諸々の問題〉、〈個人の生活能力の程度〉等々が支障を来すのです。【著者プロフィール】水野昭夫(みずの あきお) 1943年 宮崎県都城市に生まれる 1961年 宮崎県立泉が丘高校卒業 1967年 国立鹿児島大学医学部卒業 1973年 精神保健指定医の資格取得 1975年 精神科診療所を開業 1980年 164床の精神科病院を開業 1994年 医療法人如月会を設立して、その理事長となる。・今までの出版物 その他『診察室から…より良い医療 より良い宮崎』 (1979年 鉱脈社)『思春期病棟』 (1984年 鉱脈社)『若草病院デイケア日誌』 (1988年 日本評論社)『葛藤する思春期』 (1989年 日本評論社)『家族がひらく』 (1991年 日本評論社)『現代のエスプリ 訪問カウンセリング特集号』(2004年 至文堂)『脳電気ショックの恐怖再び』 (2007年 現代書館)往診家族療法について〈NHKラジオ深夜〉 (2006年3月)1980年に診療所を病院に拡大するときに株式会社健康医療開発を設立。「国家に支配されない医療を目指す」をモットーとして、躍進してきた。現在は医療法人の運営は息子たちに譲り、株式会社健康医療開発の社長を勤めながら、往診家族療法の普及を呼びかけている。若草病院を経営する医療法人如月会の理事長を息子に譲ったことが大失敗。社会医療法人にすると言うので、「それは絶対反対。公立病院みたいなもので、国家の従属物にされてしまうぞ!」と対すると大喧嘩。私は医療法人如月会をやめて、2017年6月に大空クリニックという診療所を新設。2年近くの裁判騒動。今年2020年3月には裁判は終焉して、精神科医療の改革に向けて頑張れる体制が完成した。(詳しい経過は私のホームページに記載)。若草病院周辺の自立支援アパート群は全て社会医療法人の所有施設となってしまったのだが、宮崎市郊外の17ヘクタールの土地は私が自由に使えることとなり、ここに精神科医療改革のための自立支援の村を計画中。
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