芭蕉と子規: 子規啖呵に芭蕉驚愕

(著) 配山實

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作品詳細

[商品について]
――六国史の一つでもある「日本書紀」の生みの親は次のうち誰でしょうか。
1.藤原鎌足、2.藤原不比等、3.藤原定家
正解は、本書 第三章 赤人の名はつかれたり「記」と「紀」をご覧ください。

「芭蕉句の大半は悪句駄句也」子規の暴言に驚いた日本探しのエキスパートである著者が、古代史の謎究明のため、「奥の細道」松尾芭蕉と「はて知らずの記」正岡子規を比較し、その裏に隠された「古事記」「日本書紀」との繋がりを解明し、芭蕉が公言出来なかった日本古典の神髄を明らかにすべく、真実に迫る一冊である。現代俳人の大御所と称えられている子規は歌道の何たるかも知らずに芭蕉の句を貶し、蕉風俳諧の神髄をも見抜けていなかった。一方芭蕉は古今伝授の断片を伝授された一人で、陸奥行脚で歌枕の何たるかを知り尽くした成果、歌道の奥義を極めることが出来た。倭詞を使って三十一文字に切り取って歌い上げた和歌、十七文字にまで凝縮した俳諧の世界、俳諧は倭詞の結晶ともいえる。倭詞で書き上げられた古事記(記神話)は倭民族のルーツ及び倭詞・倭歌創成の秘密、日本古代史の謎を紐解く素晴らしい聖典である。芭蕉と聖典中の聖典である古事記の重要な関わり、古事記と日本書紀の真実とは・・・。

[目次]

第一章 ― 芭蕉と子規
子規啖呵に芭蕉驚愕
悪句
佳句
各句批評
知識学行
或問
鶏声馬蹄
補遺
田神は女神
案山子信仰
国譲り神話
国見
雄鶏が鳴くと鬼が逃げる
福は内、鬼は外
事挙げ
風雅・風流
古事記
古今伝授と歌道
生殖至上主義的宇宙観および世界観
「正史」の欺瞞性を暴いている「小倉百人一首」
歌道と不易流行説
律令制王朝国・日本誕生の裏舞台
倭の五王
鬼道勢力の版図
宗教音痴
芭蕉翁の一驚
奥の細道
はて知らずの記
第二章 ―「奥の細道」と「はて知らずの記」
「はて知らずの記」批評
蕉翁の独り言
朝廷内での勢力争い
暦(こよみ)と「子読(こよ)み」
年取り神事・お正月
卑弥呼(ひみこ)は大巫女(フミコ)の謂
金太郎飴顔の日本人
「はて知らずの記」と「奥の細道」
白河の関
蝦夷の国々に歌枕が多いわけ
松嶋と象潟
手塩に掛けて育てた子
死(ちん)んだら神様よ~
第三章 ― 赤人の名はつかれたり
赤人
四大色名・(赤、白、青、黒)
六国史は疑似史書
天八達之衢(あまのやちまた)
天孫・ニニギ命の正体
宝貝・子安貝
「日」の語源
オノマトペー
仁徳王朝の盛衰
事挙(ことあ)げ
倭歌・詞の本性
理性的言語
禁断の木の実神話
仏教を国教に迎え入れるまでの歩み
再生道に殉じた皇極大君
芽子(はぎ)
「記」と「紀」
国譲り神話
各地に点在する聖地
浦島昔話と神話
卑弥呼(ひみこ)は「大巫女(ふみこ)・大神子(ふみこ)」
男王第一号
作物を租税に
三種の神器・八咫鏡と大嘗祭
宣長と芭蕉
古今伝授ナマズ
俳諧とは
歌で勝負した王朝貴族
第四章 ― 歌道の奥義を認めた奥の細道
壺(つぼの)碑(いしぶみ)
越路紀行
加賀(かが)の国入る
芽子(はぎ)賛歌
曽良は道祖神役
伊勢参宮参り
あとがき
主な、参考資料

[出版社からのコメント]
俳人として名を遺す、松尾芭蕉と正岡子規、時代は違えどそれぞれの立場から俳諧・俳句・和歌に込められたものを比較対象として解明すべく書かれた本だと感じました。俳諧・俳句の世界だけでなく、縄文人が遺してくれた倭詞の生い立ち、その裏に隠された古事記・日本書紀の真実にも辿り着く一冊です。本書を通して多くの方に、記紀の真実を知り、記神話に精通し、「奥の細道」に込められた意図や蕉門俳諧の奥深さを感じていただければ嬉しく思います。

【著者プロフィール】
配山 實(はいやま・みのる)

1937年、奄美大島生まれ。敗戦後の皇国史観アレルギーの最中に教育を受けた者の一人として西洋文化に心酔し、カント、ハイデカー等のドイツ哲学書を読み漁ったが、西洋文化の底の浅さに気付き、熱が冷めてしまった。その後は非白人国の中で逸早く先進国の仲間入りを果たした日本のルーツに関心を抱くようになり、記、紀、万葉との対面となった。奄美に残る巫女文化をキーワードに、記神話の深層、仏教以前の倭の文明文化の真髄に迫る研究を続けている。

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