解雇告ぐる日 : リストラ時代を詠む

(著) 長尾幹也

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作品詳細

[商品について]
―歌を詠めばありのままの自分に還ることができる、その時間が心を癒す―
関りなき町の変化を窓に見て通勤電車にうしなう月日
立つ位置はいつも善意の傍観者嫌いな「俺」はまぎれなき「俺」
部下だれも昼食に我を誘わねばひとりオフィスのしじまに溺る
解雇せし部下の送別会の夜をひとりオフィスに眼鏡など拭く
後悔、苦悩、自嘲、諦観――勤め人であれば誰もが感じる鬱積した心を三十一文字の詩情に託し、仕事と人生の狭間にある情念を鋭く切りとったサラリーマン必読の哀歌集。

[目次]
はじめに
【一章】 通勤電車
通勤電車[Ⅰ]
休日
転職
通勤電車[Ⅱ]
【二章】 上司
上司
会議
競い
【三章】 違和感
違和感[Ⅰ]
忙殺
背広
月曜
休日出勤
名刺
違和感[Ⅱ]
【四章】 セールス
セールス[Ⅰ]
給料
集金
セールス[Ⅱ]
都市
セールス[Ⅲ]
【五章】 部下
部下[Ⅰ]
評価
部下[Ⅱ]
クレーム
商談
部下[Ⅲ]
【六章】 去りし夢
去りし夢[Ⅰ]
タイムカード
去りし夢[Ⅱ]
中間管理職
去りし夢[Ⅲ]
【七章】 リストラ
リストラ[Ⅰ]
ビル
リストラ[Ⅱ]
人波
パソコン
リストラ[Ⅲ]
【八章】 反乱
反乱[Ⅰ]
自由
改札口
同僚
夜更け
反乱[Ⅱ]
【九章】 妻子
妻子[Ⅰ]
忍耐
妻子[Ⅱ]
孤独
人事
妻子[Ⅲ]
【十章】 倦怠
倦怠[Ⅰ]
住宅
倦怠[Ⅱ]
ネクタイ
倦怠[Ⅲ]
降格
あとがき――短歌のすすめ
著者略歴

[担当からのコメント]
仕事をしているときそこにいつもいる表向きの自分、その姿に普段の自分とのギャップを感じ、あるいはその姿でいることに疲れている方も少なくないかも知れません。そんなときは、ぜひ本書を手に取ってありのままの自分を探してみてください。そしてひとときでも心を癒す歌の時間を楽しんでいただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
長尾 幹也(ながお みきや)

1957年、京都市に生まれる。滋賀大学経済短期大学部卒業。広告代理店の現役営業マン。
朝日21関西スクエア会員。
高校時代より作歌を始め、18歳にて朝日歌壇初入選。第10回朝日歌壇賞、第24回全国短歌大会(現代歌人協会主催)大会賞を受賞。歌集『月曜の朝』を上梓。朝日新聞にコラム「マイ・ダイアリー」を連載。
サラリーマン短歌、とりわけリストラする側の苦悩を詠んだ短歌が注目を浴び、社説・天声人語などにも引用される。

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