那須山ろくオオタカ物語:受けつがれる「いのち」のバトン
(著) 大滝孝久
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―受け継がれる命と見守る命―
那須高原の地で育まれる、小さな命。それは自然界の厳しい運命にさらされながらも、必死に、確実に命を受けついでいこうとするオオタカの夫婦と雛たちの物語――。
那須高原の外れにある小さな森で、オオタカの雛が巣立っていく様子を見続けてきた著者が、自然界の一員としてのオオタカの日々を、人里ちかくのオオタカの森の1本の木に託して綴りながら、人と自然のかかわりについて改めて語りかける。
[目次]
はじめに
第1章 オオタカの子は1羽で冬を生きぬく
冬の野にオオタカの子が現れた
オオタカの子が冬がれの野でえ物をねらう
オオタカがアカマツに巣をかけた
我々の森で命が受けつがれる
第2章 春をむかえた森にオオタカが帰ってきた
オオタカの帰りを待つ大きな巣
春とともに始まる子育て
新緑のなかで卵を温める
絶えず辺りに目を光らせる
ほか
第3章 初夏の森でひなが育つ
にぎやかな森に子育ての季節が訪れる
オオタカは狩りの名人
えさが足りない!
ひなが頭を出した
ほか
第4章 えさの取れない梅雨、生き物たちの厳しいおきて
必死に子を守る親鳥
食べざかりのひな、もどらない親鳥
ひながひなを追い出した
えさは〝強い者勝ち〟──命を受けつぐためのおきて
生きることは食べること
第5章 夏の森をあとにする幼鳥たち
人の世界のとなりにいるオオタカ
巣の中で羽ばたきをくり返す
ひなの体がういた
本当の巣立ちはまだまだ
幼鳥が巣から遠ざかっていく
第6章 生き物の世界が背負う運命
春の森をおそった大地しん
森のそばで起こった大じゅうたい
着の身着のままのひ難者
人々は自然界に投げ出された
しん災も原発災害も知らずに、オオタカは生きる
第7章 アカマツからオオタカに受けつがれる命
アカマツは巣の留守を守る
あらしの季節
オオタカの巣がくずれていく
森にひびいた悲鳴
ほか
【現地調査・撮影について】
【参考文献】
著者略歴
[出版社からのコメント]
生態系という言葉をあえて使用せずとも、私たちの世界は生きものが互いに支え影響し合いながら成立しているということを知ってはいますが、子どものころから自然の中で生きるという環境が少なくなった今、そうしたことを頭ではなく肌で感じる力が少しずつ鈍ってきているように思います。本書のオオタカの物語を通じて、自然と人とのかかわりについて多くの方が考えるきっかけを持っていただければ嬉しく思います。
【著者プロフィール】
大滝 孝久(おおたき・たかひさ)
昭和21年12月22日生まれ。
東京都出身、栃木県在住。
埼玉大学卒業。
教職歴任。
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