陸軍少年飛行兵西川栄吉とチェボタリョフ小佐の邂逅

(著) 岩佐毅

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作品詳細

[商品について]
―とにかくロシア人は粘り強く逞しい―
日本人にとって近いようで遠い国、ロシア。そこにはどんな人々が住み、どんな歴史や文化が潜んでいるのだろうか。本書は、旧ソ連との貿易に従事していた経歴を持つ著者が、自身の歩みを交えながら、かつてロシアの地で実際に出会った人々や現地での印象的なエピソードを綴ったエッセイ集である。ーー酔っ払った男に氷水を浴びせた、レストランで働く可憐なロシア娘。燃費のいい日本車を「ヤポンカ=日本娘」と愛おしそうに呼ぶタクシー運転手たち。日本人のことを尊敬していると言い、突然握手を求めてきた礼儀正しいおばさん。そんな忘れえぬロシアの人たちの思い出に加え、日本とロシア両国にかかわる歴史を語るのに欠かせない二人の日本人の生涯に迫る。

[目次]
まえがき
香川県の漁村で誕生、11歳で漁師となる
「風任せ、波任せ」で極貧の生活、事故で喉に障害残る
気性が荒く喧嘩早い「はえ縄漁師」
鯛やフカを追って風任せ、波任せの毎日
荒波との戦いで父の慈愛を知る
17歳で陸軍少年飛行兵学校を受験
前線北支派遣軍一八四三四部隊に配属
昭和20年8月7日最後の夜間飛行
終戦の詔勅下り、ソ連軍捕虜となる
捕虜収容所長ワシリー・チェボタリョフ少佐との出会い
レニングラード戦英雄チェボタリョフ少佐と従軍看護婦ナターリア夫人
チェボタリョフ少佐一家との別離
引揚船高砂丸で舞鶴帰国、郷里で漁師を再開
放浪の日々、各地の戦友を訪ね歩く
豆腐の行商「ぶりうち」で初めての起業
市場のオーナーを夢見て大きく飛躍
恩人・少佐一家の消息判明、日本に招待
~チェボタリョフ少佐ご一家歓迎の挨拶~
ロシアへの恩返しの開始と社会再建への協力
難病のロシア人青年を救援、近畿大学病院で手術
行動右翼11人、栄吉とともにモスクワを闊歩、激論戦わす!
ワレーリーの早すぎる死と栄吉の墓参り
ロシアでのビジネス開始へ大きな一歩
現地法人サンエイ・モスクワ設立、ショッピングセンター開設へ
エッセイ
~История из жизни молодого японского пилота Нисикава Эйкити и русского майора Чеботарева~
参考資料
著者略歴

[担当からのコメント]
ニュースを通じてその名前をよく耳にはするものの、そこが本当にどんな国なのかはよくわからない。私たち日本人にとって、ロシアとはそんな国の一つかもしれません。本書を読み、大きな歴史や出来事ではなく、もっと身近な文化や国民性を通してロシアという国、人々のことを知っていただければ幸いです。

[著者略歴]
岩佐 毅
1943年岡山県倉敷市生まれ。神戸市外国語大学ロシア語科卒業、白系露人の下で修業したのち、独立して長年対ソ、対ロ貿易、キルギス、カザフとのビジネスに従事。著書「落第社長のロシア貿易奮戦記」、共著「日露異色の群像」、現在日本ユーラシア協会機関紙にルポルタージュ「異郷に生きる」(50回以上)連載中。

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