隠れキリシタンと政宗

(著) 栗村芳實

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作品詳細

これは日本史スペクタクルの王道だ!

「隠れキリシタン」という歴史の闇に葬られたかに見えた存在を
豊富な史料に基づきその史実を次々と明らかにしてゆく。

あたかも現地においてガイダンスされているような趣きで
読者を歴史ロマンの旅へと誘う、日本近世文化史の一幕、ここに開講!

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「隠れキリシタンと政宗」という題名である。クリスチャンでもなく、歴史学者でもない著者が、一部地方とはいえ、隠れクリスチャンや、これまで知られていなかった政宗の一面について記述するのは、まことにおこがましい感じがする。
 ともあれ、本書はそのかなりの部分を、現在残っている数少ない石仏などの文化的遺産や書物、インターネット資料などの調査に基づいて書き下ろしたものである。
 しかし、その一方で、著者の考察ないし私見によって、歴史の空白部分を埋めようとしたところも少なくない。言い換えれば冒険的な手法であるが、目的追求のための手段に過ぎない。誤りなどがあると思うが、この点は読者のご指摘をいただければ幸いである。
 ところで、勝手なことをいわせていただければ、笠間市、茨城町、ひたちなか市における、江戸時代の歴史的空白部分、補修の一端を担うことができ誠に幸いであると考えている。
 これら地域における子安観音・子安地蔵の分布や時期的偏在を資料を基に明らかにした。一方、伊達政宗によるひたちなか市の河岸開発と隠れキリシタンの存在に関しては、資料が少なく、主として、著者の考察を基に展開し、これらを一体化したのである。
 思い出してみれば、遠い過去に遡って、夢を見ている感もなくはない。
 この書が機となって、歴史空白の補修が、促進されれば、これ以上幸いなことはないと思っている。

著者プロフィール:
栗村 芳實(くりむら よしみ)

茨城大学名誉教授 理学博士
1930年東京都生まれ。
東京大学大学院化学研究科博士課程中退
東京大学教養学部助手
茨城大学理学部教授、理学部長
放送大学茨城学習センター所長

主要著書
専門(錯体化学、高分子錯体に関する著書・論文多数)
『いばらきの川紀行』(共著 河川環境管理財団助成事業)
『北関東川紀行l 久慈川・那珂川』(随想舎)
『北関東川紀行2 鬼怒川・小貝川・渡良瀬川』(随想舎)
『北関東川紀行3 利根川』(随想舎)

写真撮影
井坂 紀久子
栗村 芳實

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